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バルセロナ&ロンドン①ガウディとモンタネールを追って

ガウディの足跡

そこから北上しつつ、もう1キロくらい歩いている気がする……。タクシーを拾おうとしてるけど、近くをちっとも通らないのよ。どういうこと?

まずい……15時に公園入場の予約してるのに!
なんとか客を降ろしたタクシーをその場で押さえ、海を眺める高台のグエル公園 Parc Güell へ。

グエル公園

ここグエル公園は、ユートピア的分譲住宅を夢見たグエル伯とガウディが造ったのだが、計画された60棟のうち、当時はその2人の買った2棟しか売れなかったらしい。

時代を先取りし過ぎたかな?
ガウディは市電に轢かれて命を落とすまで、こよなく愛したこの場所で暮らし続けたんだよね。


地図で見て、どれだけ大きいんだと戦々恐々としてたけど、モニュメンタルエリアは意外と小ぶりで、1時間もかからず楽しめる。きれいな海も見えて、ココはすごく好き!!


カラフルで局面によく沿うモザイクタイルは、当時画期的なアイディア。才能ある助手、ジョゼップ・マリア・ジョジュールがこれに貢献。


めちゃ混みのトカゲくんの場所が偶然開けた瞬間、運よくキレイなショットを撮ってもらった♪

プリミティブな散歩道も素敵


グエル公園を後にしてあっつ~い坂道を下り、24線のバスでグラシア通りを南下していく。

ここは両側にブランドショップやモデルニスモ建築が目白押し。左にカサ・ミラ(ラ・ペドレラ)を眺めたあとは、右にガウディの独創性が炸裂するカサ・バトリョ Casa Batlló

カーサ・バトリョ


カーサ・バトリョは、海洋貿易で財を成した主人の名刺代わりとも言えるリフォーム邸宅で、通りに面した部分のモチーフは、波しぶきと髑髏(どくろ)のように見える。

ここはオーディオ・ガイド(日本語あり)をぜひ。
建物は個人の所有で、私財で管理がまかなわれているそうだ。

竜の骨をイメージした階段


140年前から長く保存された歴史を感じる邸内で、エントランスから煙突の先まで、縦横無尽にガウディの目や手や心を感じる細工で、みっちりと埋め尽くされている。

ガイドを聞いていると、そんなガウディのひとつの傑作を愛する、人々の愛情がつぶさに伝わってくるんだよね。


邸内には、機能性と美を同時に実現するガウディらしい工夫がたくさん。パラボラアーチを応用したこんな静謐な空間が同居しているのも、やっぱりガウディならではの取り合わせ。


こちらは、バトリョの屋根の鱗が表紙になってる本。たったこれだけで、いかにこの建物が”生き物”として息づいているかが伝わってくる。一枚一枚に微妙な色や形の違いがあり、それが集合し調和と統一性を見せる有機物の不思議さを感じさせる。

日没後にライトアップされたら、きっとまったく別の顔を見せてくれるんだろうな。ほんとは夜中も見に来ちゃいたいくらいだけど、もうへとへと……。



残り1㎞ほど、力を振り絞ってホテルまで。

途中、どうしてもオレンジジュースが欲しくなり、アクエリアスオレンジ味をがぶ飲み。ホテルで鏡見たら、ボトックスで汗を抑えているはずの脇も……わー塩分で真っ白。
すごく汗かいて、水分・塩分不足になってたらしい!

アンダルシア地方は気温はもっと高いものの、こんなに蒸し熱くなかったんだけどなぁ……。

音楽堂でフラメンコ


19時過ぎ、ホテルのあるラバル地区からゴシック地区へ。

ラバル地区は新旧の建物が混在。再開発でいい雰囲気に変わった地区らしいけど、ちょっと怪しい界隈に迷い込んでドキドキしちゃった。

ようやく抜けてウルキナオナUrquinaonaまで2㎞ちょいかな。その近くに、目指す場所がある。


そう、今日はまだ終わりじゃない。
フィニッシュはモンタネールもうひとつの傑作、カタルーニャ音楽堂 Palau de la Música Catalana !


昼間の光が入る内部も捨てがたかったけど、この日は夜にフラメンコ公演があるんだよね~。フラメンコギターもすごく好きなんだけど、前に習ってたから踊り見たくなっちゃって。


1階のバルで開演前に一杯やるのがいいって聞いて寄ってみた。このビール(A.K.DAMM)美味しかった! タパスはまぁまぁかな?

音楽堂では皆かなりドレッシーな装い。バルの席から見える内装も素敵だな~。


あっという間に時間は過ぎて、予約していたボックス席に入ると……


なんて……なんて贅沢な空間!

天井のステンドグラスは夜でも美しく存在感を放ち、2階席を彩る丸みとリズムのあるロマンティックなシャンデリア。舞台には、上半身乗り出した彫刻のミューズたちが囲んでいる。

文句なしに素晴らしい!!


そして始めはエレガントに、最後は盛り上がる真夜中のタブラオのように。

野生の雌豹のようなキレに、しなやかさとばね。
こんなに長くソロを舞っても、まるで息の切れる様子を見せないバイラオーラ。

ソプラノのハバネラ、重量感溢れる団長の踊りが、観客の身体をも痺れさせる。


実は団長Rafael Amargo(カリスマ美形ダンサーとして一時代を築いた)の大切なゲストが見に来ていたようで、演じる方も熱が入っていたみたいだったな。

予定をかなり超え、23時過ぎにようやく終了。途中で席を立つ人もおらず、最後はみなスタンディング・オベーション。



素晴らしかった……
こんな満たされた一日が、味わえるなんて。

まるで夢のよう。興奮醒めやらぬ思いをタクシーの運転手に話したくってうずうずしてるのに、英語が分からない様子でもどかしい!


バルセロナ初日、
盛りだくさんで、忘れ得ない1日。


このルポに出てくるガウディ作品に関する部分は、
サイト内記事「アントニ・ガウディ」と一部重複します。


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