North, South, East and West ーあたまの中を旅しよう。

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真夏の夢のリヴィエラ③ヴィルフランシュ=シュル=メールから鉄道の旅へ

81番バスでゆく

まもなくバスがやってきて、運よく右の窓際席に。ニースの街並、ニース港、キラキラ光る海……と移り変わっていく。

どうしても景色眺めつつ行きたかったのは、ヴィルフランシュ=シュル=メール Villefranche-sur-Mer 。ニースから6㎞、バスで20分ほどの距離にある。
鉄道ならニース駅から約8分(1時間当たり2-3本)。ニース岬とその先のフェラ岬に挟まれた、大きな湾の中ほどに位置し、パステルカラーの旧市街や小さなビーチのある、高級別荘地でもある。

ヴィルフランシュに行く、とホテルスタッフに話したら、同じバスで行ってごらん!と勧められたロスチャイルド邸は、そのさらに先の半島内。


Octroiという目的のバス停で降りたものの、パッと見た感じ、帰りのバス停も観光案内所も見あたらない……。小さい村で簡単だから、行けば分かると思ってたんだけど、うーんと海に下りる道どれだろう……えっあたしもしかして、こんなところでいきなり迷子??

素敵なマダム

不安でウロウロしていたら、ふと視界にかごのトロリーを引いたお洒落なマダムが。黄色い花柄のワンピにつば広の帽子。この人なら英語も通じそう、この界隈に住んでるっぽいし道を聞いてみよう。

Excuse …

キャーッあなた!
なんて可愛らしい格好してるの~♡(in英語)

すみません……と話しかけた途端、叫んでいきなり手を握らんばかりのラブリーなはしゃぎよう。
(カチューシャとしましまバッグがツボだったらしい)

クールなマダムを想定してたので面食らったけど、話し始めるとノリがまったく同じで服の趣味も近く、妙に親近感が沸く。(たぶん向こうも同じこと思ったハズ)

あらぁ、私もちょうど街にお買い物に行くところだから一緒に行きましょう

マダムはロンドンの方で、ご夫婦でヴァカンスに来て、もう2週間ほど山側に借りた家で過ごしているんだって。

何を買いに行くところなの?
夫がね、”英字新聞を買って来てくれ”っていうのよ~
それ、”自分で買ってきなさい!”って言ってみたら?

マダムはおどけて困った顔をしてみせた。そこでまたキャッキャッと笑う。
なんだか笑うポイントが似ていて、自然体で表情豊かな明るいマダム。暑い坂道を下りながら、何か話すたび二人で声上げてまた笑う。

姿かたちは違うけど、はるばるやってきたフランスの小さな村で、もう一人の自分に出逢っちゃった気分!

あとで地図確認したみたら
こんなに近くにインフォメーションが💦


わぁ~たくさんの船!
港にぎっしり並ぶのと違って、広々して船も気持ちよさそうだな。この大きな湾はニース港よりも水深があって、大きな船も安全に停泊できるんだって。

立ち止まってまたきゃあきゃあ盛り上がってたら…
ずいぶん楽しそうだね!と見知らぬ男性が…
いまそこで会ったばかりなの、と言うと
「てっきり長年の親友かと思ったよ」だって

絵本のようなヴィルフランシュ=シュル=メール


お買い物に行くマダムと別れて、いよいよ旧市街散策! ココは教会の見えるエグリーズ通り。


テラコッタカラーの壁と水面、細かい建物のコントラストが素敵なスポット。観光客の方に、”こんな感じのフレームで、ここに立つから……”とお願いして撮ってもらった♡


パステルカラーのカラーブロックが、このバッグの柄みたいでしょ? 村中がこんな温かみのある色で溢れてるの。。。


あちこちシャッター押しながらゆっくり道を通り抜けたところに、3人組の可愛い女の子が撮影頼もうとスマホ持って待ち構えてた! これは撮ってあげたお返しに、同じ場所でパシャッと1枚。

Have a nice day!
後ろ姿に声をかけると、仲良し3人組が満面の笑顔で振り返る。
You too!

お互い、心に残る旅の1ページにしたいね。

絶品ブイヤベース

ここには評判のレストランがいくつもあるけど、今日はシーフロントのMère Germaine(小さい緑のシェードの下の店)に。 地元の名物ブイヤベースを調べてて、どうしてもココのを食べてみたくなって、メールで予約しておいたの。


でもまだ始まったばかりのランチタイム、店内でははじめのお客さんだった(笑) あとからどんどん増えたけどね。


海が見えて、でも陽が差さないところ!とお願いしたらこの席に。前のパラソル席もこのレストランのものみたい。

サンダースおじさんに似たサスペンダーのウェイターさんが、体を左右に揺らしながら、ロゼワインとスープにつけるパンのセットを運んできた。
まもなく名物・ブイヤベース登場!


あれ? もっと派手にシーフードが入ってるかと思ってたけど……思っていたより地味~な感じ。
まずはスープだけで。

あ、ものすごく優しく、穏やかに体に沁みわたるわぁ。
もっとお魚の香味が強いかと思ったら、こんなに優しい味なんだ。

昨日お腹痛めてから今一つ食欲なくって、これだったら体も元気に回復しそう。


次は、教えてもらった食べ方で。
ガーリックをカリカリパンにこすりつけ、サフラン入りアイオリをのせて、こんな感じでスープに浸すの……

カリッポリポリ……
………。

すごい!!
スープだけの穏やかな味が、口の中でまったく別のお料理になっちゃったみたい!

美味しい……。

ガーリックを多めにしてみたり、アイオリをちょっとにしてみたり。その度に口の中の風味が変化するの。粉チーズを付けてもいいらしい。

パンが乾燥し過ぎてない?って運ばれてきた時思ったけど、この硬さ具合がむしろスープとベストマッチなのね! このスープにはこのパンでないと!!


味わいながら夢中で食べ続ける。
クセになって止まらない。

これ、絶対カルシウム多そう……モーガン・フリーマン似の支配人風オーラの男性を呼び止め訊いてみると、やっぱり15?50?種のお魚を丸ごとミキサーしてるんだって!!


そろそろスープなくなっちゃうなー…とさみしく思っていたら、さりげな~くサンダースおじさん登場。

15種? 50種? さっき彼が言ってたんだけど、どっち?
いやいや、5種類だよ

そっと訂正しながら、おかわりのスープを特大レードルでたっぷり注いでくれます!
メルシー♡

さっきの男性は英語不慣れそうだったので、5と15と50がごっちゃになってるのかもね。

ベリーがぎゅうぎゅうに詰め込まれた濃密ジェラート


まるまる2皿分いただいて、本当はもっと食べたいんだけど、食べ過ぎて体調崩さないようここはガマン。でもすっかり食欲も戻り、お口直しのデザートはいただくことに。
これも果実の甘味が際立って美味しかった~ 。


到着した時は曇っていたけど、すっかりお天気になったね。東の先には小さい静かなビーチがあって、その上の方に鉄道の駅がある。


素敵なマダムに助けてもらい、絵本の中のような可愛らしい色合いに囲まれ、海辺で最高のランチもいただいて……

もしヴァカンスに来るなら、人の多いニースよりも、こんな小さくてのどかな美しい村がいいな。


とても名残惜しいけど、さようならヴィルフランシュ=シュル=メール!

ロスチャイルド邸

13時半過ぎか。ニース出発が1時間先送りになった分、まだ余裕あるなぁ。ロスチャイルド邸 Villa & Jardins Ephrussi de Rotheschild も行けるかな?

頭の中でカシャカシャ計算。81番バスは1時間に2本くらい、バス移動で往復約1時間、ニース到着後にトラムでニース・ヴィル駅まで+15分、駅で荷物受け取って……なんとかなるかも。

それにロスチャイルド行くならさっき降りたバス停から乗るから、逆方向のバス停見つからなくても困らないし。
よし! 14時までに81番が来たら行っちゃおう!

そしてタイムリミット5分前にバスが来て、さらに20分ほど走ったところのPassable Rothschildで下車。


逆算すると、観光に許された時間は45分! 緑の案内板に従って坂道を上り始める。


予想外に長い、邸宅までの坂。でもなにせ途中の景色が見事で、船がまるで青いシルクに施した銀のビーズ細工みたい。なんて贅沢なロケーション!


邸内に入ると、その見事な景色が窓の向こうで一幅の絵のように……うっすら見える影は、大きな豪華客船。


調度品はロココかな。華やかだけど、抑えが効いていて統一感もあり、磨き抜かれたセンスの良さが感じられる。素敵なベッドルームです。


館の主ベアトリス・ド・ロスチャイルドはロスチャイルド家の娘で、ロシア人のエフルッシ氏と結婚したもののうまくゆかず、離婚したのちこの風光明媚な土地に見事なヴィラを建てた。名前はそのまま残したので、正式名称は「エフルッシ・ド・ロスチャイルド邸」なのだそう。

竹林や薔薇園、噴水、日本庭園などそれぞれの区画に生き生きと異なる趣向が凝らされており、それが違和感なく繋がっていく。

庭園の奥にある薔薇園からの眺め


駆け足の観光だったけど、ロケーションから庭園に至るまで、隙の無い完成度の高さに脱帽。本当に来て良かったな……教えてくれたホテルスタッフに感謝しなくちゃ。

そういえば泊まっていたHotel Villa Rose、なんとなく色合いや雰囲気が似てる。。。もしかしてオマージュ・デザインなのかな。

長い帰り道の坂を下るとちょうどバス停にニース行きが停まっていて、大量の観光客が運転手さんからチケット買ってる隙に走って飛び乗り間に合った。
よかった、これならニース駅まで余裕持って到着できる!


揺れる車窓を眺めて夢のような1日を思い返しながら、バスは一路ニースへ。

帰りの車窓からは大型客船と
ヴィルフランシュシュルメールの美しい旧市街
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