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  1. SEASIDE

真夏の夢のリヴィエラ③ヴィルフランシュ=シュル=メールから鉄道の旅へ

リヴィエラ海岸、鉄道の旅

タイミングに恵まれて、 ニース・ヴィル駅に到着した時にはまだ1時間も残っていた。

Nice-Ville 16:37発

Ventimiglia 17:34着
Ventimiglia 17:57発


Genova Piazza Principe 20:17着


午後発でジェノヴァにそれなりの時間に着ける列車は少ないけど、なんとか宿のチェックイン時間はクリア。出発までの1時間を使い、駅のフリーWifiで今後のホテルと連絡をとったり、家族とメールしたり……あっという間に乗車時間に。

☑旅行中のスマホと旅の情報収集
旅の間もずっとスマホで情報収集する人も多くなった昨今。どこで充電できるか分からないし、行先によってはネット環境が整っておらず役に立たないこともあるので、私はいざって時のライフラインとして持ち歩くけど、どうしても必要な時以外は使わず温存しています 。

写真も基本はデジカメで、念のため大事な写真だけスマホでもダブル撮り。

必要な情報やチケットはできる限り旅までに揃え、プリントし時系列に沿ってファイリング。まったく電気機器が使えなくても、無事に旅を終えられるようにします。これが旅行中、常に携帯する虎の子ファイル!
そうすることで無駄なく観光に時間を充てられるので、短い休みでたくさん見聞きしたい私の旅には、毎回欠かせない大切な準備なのです。

さっそく遅延

乗り換え駅のヴェンティミーリア Ventimiglia(仏語でヴァンティミーユ Vintimille)は、フランスとイタリアの国境の街。
鉄道は遅延当たり前、ストも多いとは耳にしていたけれど……

Ventimiglia行きは
前の列車の16:07発がすでに20分遅れ!


エスカレータが壊れてて、重いスーツケースを持って全力で地下通路への階段を上り下り。ホームに行くと、先行列車の遅れが35分に増えている……。

これね、電車の本数から考えて多分単線なのよ。ってことは、前の列車が遅れれば、次の列車はもっとヴェンティミーリア到着がずれ込むってことよね……。


乗り換えに万が一でも遅れたらシャレにならないスケジュールなんで、遅れてきた先行列車に乗っちゃおう。
Intercityは都市間を結ぶ特急、Regionale Veloceは快速、Regionaleは普通列車。 ヴェンティミーリアまではRegionaleなので、同じ行先のRegionaleなら時間違うのに乗ってもOKなの。


さぁ! 車窓の景色を眺めながら、リヴィエラ海岸鉄道の旅の始まり始まりぃ~。


美しい海岸線。ヨーロッパ屈指の”紺碧海岸”、リヴィエラ。

ただやっぱりあたしにとっては、西湘バイパスとか、烏帽子岩とかを彷彿させる景色なのよね……それで足りなければ、熱海とか逗子海岸とか足せば、十分似ている気がする!

でもこの海の景色が昨日とひと味違って見えてきたのは、カンヌやニースの人で溢れた海岸ではなく、ヴィルフランシュの風情あるゆったりとした美しい海岸の村を見たからなんじゃないかな……。


隣りに座った小柄な白髪のおじさんが、イタリア語で誰かと携帯電話ごしに一生懸命喋ってる。興奮して手を盛んに振るもんだから、ときどきこうして写真に写りこんじゃうの!

でも次々にやってくるトンネルに入るたび通話が切れて、トンネルから出るとまたどちらかがかけ直して、それを10回くらい繰り返してもうお手上げだよ、って感じで切れたケータイ眺めて肩すくめてる。

それ見て、さすがにお互い顔見合わせて吹き出しちゃった(笑)


ちょうどその時、遠くに美しい街並みが。あれは何?とおじさんに訊いてみると、ヴェンティミーリアの旧市街なんだって。へぇ~、ここもなかなか素敵な雰囲気だなぁ。


順調に乗り換え駅のヴェンティミーリア到着!

まずはホームの電光掲示板をチェックチェック。大きい荷物は階段のあるホーム間移動が大変だからね、動く前にまず確認。

ジェノヴァ行き17:57の快速は、降りたのと同じホームの3番でいいらしい……
ってことは、今ここに停まっているこの列車か!


誰もいない……。


乗り換えるのはあたし一人みたい。ホントにこの列車でいいのかな? あと30分もあるし……。

ふと見るとリュックを背負った一人の男性が、この列車から降りてこっちにやってくる。イタリア人かな、英語分からないと断られそうになりながらも何度か聞いてみると、“Oh, GENOVA! OK”と列車を指さして笑顔を見せた。どうもこれから仕事の鉄道スタッフの人みたい。その人が太鼓判なら間違いない!

でもやっぱりまだ誰もいなくて不安……と、エアコンも電気も点いていない列車の乗車口をボタン押して開けたまま、入ろうか入るまいかとまごまごしているところに現れたのが、本日2人目の救世主Romeo
(1人目はあの素敵なマダムね)

旅友ロメオ

黒いTシャツにぴたぴたの黒いパンツ、小柄だけどキリッとシャープに整えた眉と髭が印象的な、20代と思しき青年。あたしと同じように、窓から車内を覗いてみたり、ドアを確認したりしている。

仲間だ!! と嬉しくなって、ジェノヴァ行きに乗るの?と話しかけると、”俺、英語ほとんどダメなんだけど……そうジェノヴァに行くんだ”と。

よし!!

通じる単語を互いに探り少しずつ話してみると、彼はMonacoから来てGenova行きに乗るところ。もともとあたしが乗ろうと思っていた後続列車に乗っていて、後からこのホームにやってきたのかもしれない。

さっき鉄道スタッフがこの列車で合ってるって言ってたよ、と言うとなんとなく意味が分かったようで、彼もホッとしたような顔をしている。

発車時刻が迫ってきて、他にも数名乗り込み始めたので、エアコンも入らず窓も開かないその暗い車両に二人して乗ってみた。所在なくて、なんだか車両内でもキョロキョロ。

そしてほとんど客が増えないまま、18時ごろついにギギィーときしみ音をたてながら、ゆっくりと列車が動き出した。


お互いの存在が安心感になり、1つずつボックス席を占領して寛ぎながら、しばらくRomeoと話していた。改めて見ると、黒いTシャツは豹柄、指に大きなゴールドのリング。聞けば普段はローマに住んでいて、今日は夜通しモナコのカジノで遊んだ後なんだって。
なるほどね~、イタリア版都会っ子ね!

”妹が妊娠しているから、今回はローマに帰らない(他のところに向かっている)”んだって。彼が思い出せない”妊娠”とあたしの言った”外科医”が、当てっこクイズみたいになった。

そんな他愛ない話を小一時間していたけど、走り出してから少しずつ冷房も効いてきた。 人もだんだん増えてきて、通路挟んでのRomeoとの会話もしづらくなり、しばし休息。


ジェノヴァに近付くにつれ、人が増えてきてシートは満席。Genovaと名の付く駅が続いて、数分おきに停車していく。
隣に座った男性に次の駅を訊いても言葉が通じなくて、前に座っている旅行中らしき英語も分かるイタリアの青年がそこに加わり、なんだかわぁわぁ話し合ってる。最後に青年が、”僕も次が何駅かは分からないけど、Genova Piazza Principeはそろそろのはずだよ”と教えてくれた。

2階席なので降り損ねないよう、あらかじめ出口近くに待機することにしよう。

Romeo、まだ降りないの?
うん、俺はまだ
あたしは行くね。一緒にいてくれてありがとう

彼はどこまで行くのかな。
”一緒にいてくれて”が伝わったかは分からないけど、たくさんの乗客に埋もれて心もとなくこちらを見ているRomeoに手を振ると、スーツケースを降車口のすぐそばに下ろした。

Romeo、君はマフィアかい?
FBの写真、後で見てビックリ(笑)


ドアの前で待機していると次の駅にまもなく停まりそう。

Genova Piazza Principeはここ?」と大声でその場で叫ぶと、
違うよ、その次だよ!」何人もが一斉にイタリア語で答えてくれた。

ジェノヴァ到着

たくさんの親切なイタリアンのおかげでもう一駅乗って無事に降車し(ドアを開けるボタンも近くの人が教えてくれた)、駅からすぐのHotel Chopinにやっとチェックイン。遅くに到着し早朝に発つので、駅に近いところを押さえてあったの。

今日はホントにBed & Breakfastなんだよね……と言うと、夜だけどせっかくだから、さっと周れるコースで街を観てみたら?と、超速でマップに観光ルートを書いて説明してくれるスタッフ。そうね、移動中は脚も休められたし、ゴハン探しがてらちょっと行ってみようかな。

夜のジェノヴァ


そしたら……なにこの街!?
建物がみんなものすごく巨大。扉とか窓とか、人の背丈の5-6倍あるのよ!

しかもどれも、雄大で壮麗。中世から栄えたジェノヴァは、現在もイタリア最大を誇る港湾都市で、リグーリア州の首都として観光客の人気も高い。当時はこれら立派な貴族の館 Palazzoを厳選し、海外からの重鎮をもてなす迎賓館として提供させていたんだって。

緑のフラッグが歩いたポイント
広大な港は地図上で見ただけでも圧巻


泊まるだけだからって、”本場のジェノヴェーゼ食べたいなぁ”以外何も考えてなかったのを猛省。これ、街並だけでも見どころ満載だわ。

赤の宮殿 Palazzo Rosso
サン・ロレンツォ教会
今まで見てきたゴシック建築とはひと味違う
あまりに壮麗な海辺の巨人


どれもフレームに収まり切れないほどの大きさ。交易による栄華を雄弁に語る、大らかで自信に満ちた建造物には気持ちよいほどに圧倒される。

面白くなかったらすぐ戻ろうと思っていたけど、見事な建築群に心奪われ、そのまま一気に夜の街を一周。

フェッラーリ広場
”REGIONE LIGURIA”の文字が誇らしげ


港付近は少し近寄りがたい雰囲気の道もあったけど、広い道は人もいて、迷わずに歩きやすい。港の一角では盛大なビーチバレー大会か何かが催されていて、いつもより人出も多いよう。

この近くに非常に人気の高い水族館もある。もう1日あったら絶対見たかったなぁ!

ゴールは三日月が輝く夜のポート



調子に乗って1周した後に、疲労は極限に達しちょっぴり後悔。ニースで3日間、酷暑の中歩き回ってたからな……。
なんか、さすがにレストランで外食って気分じゃない……駅前でファーストフードでも買って来ようかな。

時刻はすでに22時過ぎ。駅前に唯一開いていたショップでライスサラダとレモンティーを手に入れ、やっとのことで足を前に進めて部屋に戻る。

そのままベッドにバッタリ。うぅ~……死む……。


店内用のを頼んでテイクアウトにしてもらったら、なんか屋台の焼きそばみたいになってしまった。味は期待できないけど、とりあえず食べ物を口にしよう……
キャミソール1枚でベッドにごろごろしながら、さっき買ったレモンティーをぐびぐび飲み、サラダをちょびちょび食べ始める。


そしたらこれが、美味しいの!!


絡めたオリーブ油がまずおいしい。
トマトもルッコラも香りがよくてとってもフレッシュ。
黒オリーブもいいアクセントになってるし、
モツァレラだって、日本のそこらのとは全然味が違うんだもん。


結局全量、あっけなく食べ切った。ていうか、2つ買えばよかった。

これであとはゆっくり眠りさえすれば、ちゃんと明日、元気になるかなぁ。。。

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