雨のミーソン聖域
うとうとしながらダナンからバスで1時間ちょっと。いつの間にやら東西に流れるトゥボン川を越えて、ここはミーソン聖域/遺跡 Thánh địa Mỹ Sơn(聖地美山)と呼ばれる世界遺産。
4~14世紀にかけてチャム族 Cham によって、湖近くの盆地に焼成煉瓦で造られた遺跡群で、ジャングルの中に潜んでいたこの古代ヒンドゥー寺院の赤い遺跡を発見したのは、チャム美術館を作ったアンリ・パルマンティエだ。
雨期で川が茶色く増水してる。この辺りは、年に10回くらいは毎年洪水が起きるんだって・・・。
だからなのかベトナムの家屋って、上がり框(がまち)ってないんだよね。部屋が地面と同じ高さになってるの。たぶん平坦な方が洪水でも歩きやすいし、水が引いた後も掃除しやすいんだと思う。あと、品物を天井からつるしてディスプレイしてるヘルメット屋さんを昨日見たんだけど、あれも洪水対策かな。バイクや車はどうするんだろう?
さぁ、自然を守るため排気ガスの出る車はここまで! スピーディーでコースターみたいな電気カートに乗って、3㎞ほど離れた遺跡近くの拠点まで移動しまーす。
ジャングルの中に造られた観光拠点となる建物内で行われているのは、チャム族伝統舞踊ショー。ビキニ風の衣装でゆるやかに体をくねらす、ちょっぴり目のやり場に困る感じの妖艶なアプサラダンス(天女の踊り)でフィニッシュ!
いよいよ遺跡へ。遮るもののないここは、熱かったら地獄だな。雨の観光で助かったかも。
遺跡は建造時期によって6つの様式に分類されている。見どころは、10~11世紀に造られたミーソン様式が集まるこのBCD群。保存状態が最もよいのだそう。
緑の葉を繁らせた、鮮やかな色をのぞかせるシヴァ神の祠堂。当時のチャンパ王は、シヴァ神と一体化していたんだそう。王様を祀るところでもあったんだね。
紙も入らないほど緻密に重ねられたレンガを重ねた、アーチ風のつくりがみられる。顔のところはやっぱり南へと追いやられた際に持ち去っみたいね。
1000年以上の時を、蒸し暑いジャングルの中で紫外線と湿度と洪水にさらされてきた建造物。なのに、今でもまっすぐに上面が綺麗に揃っている。何かの柱・・・足かな?
現地ガイドさんは日本語がお上手。フエ出身で、フエ大学で学んだそう。
建物内部から比較できる、オリジナルの煉瓦と、戦争の爆撃で壊されたところに修復で加えられたレンガ。オリジナルの方が緻密で硬くて、接着剤なしに隙間なく積み重ねられていて、しかも壊れにくいんだって! この焼成煉瓦の製法は不明らしい。
リンガとヨニがここにもある。もとは屋根で囲われていたけれど、壊されてしまったんだって。
遺跡の中で一番古いのは、8~9世紀の古代様式で作られたグループF。古い上に戦争で破壊されたところが多く、見学は限られている。
そしてこのグループAは、10世紀に建造された30メートル近い寺院があったところ。ベトナム戦争で破壊されてしまったけれど、ミーソン遺跡は各国からの協力を得て今も修復作業が続けられている。
広い空のもと、残る赤いレンガの鮮やかな色が痛々しくもある。今はその残骸とも言える状況だけど、寺院のもとのかたちは、東南アジアの最高傑作とまで言われているのだそうだ。
ランタンの町ホイアン
そして本日最後の観光ポイント、ダナンから南へ30㎞、トゥボン川 sông Thu Bồn の河口にある古い港町ホイアン Hội An。
16世紀半ば、フエに広南阮朝(広南国)ができた時に、外港として使われた町。広南国は外交に積極的で、ホイアンにはオランダやポルトガル、中国、徳川幕府時代の朱印船で日本から人が渡来し、中国人街・日本人街が作られた。来遠橋(日本橋、現在修復中)は18世紀に、2つの街を繋ぐところに日本人によって造られた石の太鼓橋だった。
旧市街には車が入れないので、広い道路でバスから降りて、道を渡る。オートバイは避けるのではなく、
手で止めながら躊躇せず横断する ものらしい・・・。
この旅では訪れないけど、ホーチミンは他の町の10倍くらいオートバイが走ってて、旅行者はとてもじゃないけど1日目は渡れないってウワサ(@_@;)
無事に渡って、旧市街中心部へ向かうちょっとした通り道にもホラ!! こんなにランタンがいっぱい😍💕
旧市街の通り沿いには、昔の家屋を利用したお店が立ち並ぶ。
ホイアンの町はベトナム戦争で破壊されることなく、当時の姿を現在に残していて、1999年に世界遺産に登録された。歴史保護地区になっているところは、修復や改装も自由には出来ないのだとか。
目抜きのチャンフー通り。しっとり雨に濡れて、一層色が濃くなって美しいホイアンの町。
海外との貿易で繁栄を誇ったのは17世紀の初期。その後、日本人は鎖国ですべて引き上げることになり、中国人も数百名を残してここを去り、それに地理的な条件(川の土砂が堆積した)も重なり、外港としての役割は徐々にダナンに移っていったんだって。
ホイアン観光は「ランタン祭り」に合わせるのがいいのかな?って当初思っていたんだけど、むしろその日は明る過ぎてきれいに見えないって話も。暗い所に灯る色とりどりのランタンが、やっぱり風情あって素敵だな。
トゥボン川に架かる、華やかなアンホイ橋 Cầu An Hội からの眺め。うっとり。。。😍
古くからある伝統的な町並みが人気のはずが、夜も更けて盛り上がって来るとこんなハイビームが空に放射されてる😲
ず~っと降り続けてるから、一日髪ボサボサ。トミーはくせっ毛クリクリ。湿度すごいわ~。
旧市街中心部の来遠橋(日本橋) Chùa Cầu の近く。それにしても観光客が多い・・・。
夜になるにつれて、どこから湧いてくるのか人でいっぱいに。オフシーズンでこれじゃあ、ハイシーズンなんてまともに歩けないんじゃないかなぁ。
雰囲気のあるコーヒーショップが何軒も😊 みんな違って、それぞれにお洒落なインテリアだね。
名物料理 in SAKURA RESTAURANT
フリータイムを終えて、そろそろレストラン🍴「SAKURA」に集合!!
ここは景色を楽しみつつ、✨ホイアン名物料理✨が食べられるの。白いワンタンみたいのが「ホワイトローズ Banh Vac Hoian」、右が「揚げ海老ワンタン Hoanh Thanh」。そのほか混ぜ麺のカオラウや鶏ごはん(これ一番おいしかった)、デザートの揚げバナナまで全7品♡
ちょい糖質オーバー気味だけど、ホイアンらしいお皿の数々、ごちになりました! またまたお腹いっぱい😋
願いを託して灯篭流し
腹ごなしにみんなで散策しながら人の少ない川の端っこまで来て、何だろう?と思ったら 灯籠流し。さっき流れているの見て、やりたいな~って思ってたの!
でも、流すのに一生懸命になって、うっかりお願いするの忘れちゃった💦 Darling、代わりに二人分お願い!!
そうして朝早くからの長い一日も終わり、他のみんなは再びダナン市内に向かう。ホイアン泊のあたしたちは、送迎車やタクシーで大混雑の駐車場でスーツケースごと離脱。けれど暗い雨の中、車だけやたら密集してて身動きもとりづらく、ガイドさんにお願いしてその場で適当なタクシーを拾ってもらった。
で、出発しようにも、パズルみたいに車がびっしり詰まってて、なっかなか出られない!! さらに、雨だけでも見づらいのにあっという間にガラスが真っ白に曇るから、運転手さんがちょくちょく手ぬぐいで拭き取りながら・・・って 危ない危ない! デフロスターを知らないらしくスイッチを入れるよう翻訳アプリでなんとか伝え、とりあえずMAXだった危険度は7割くらいに減少。10分以上その場でもぞもぞして、どうにかこうにかしゅっぱーつ😓
隠れリゾート An Villa
旧市街の端っこの混雑を抜けたら、あとはスムーズに走り今日のお宿がある田園地帯へ。真っ暗闇の中、タクシーのヘッドライトと運転手さんのスマホのナビを頼りに、水浸しの田んぼの間の狭い道へと曲がる。これ、万が一道はみ出して田んぼに落ちたら助かるのかな?? 朝まで誰にも発見されなさそう・・・。
ついに「An Villa」の看板があるさらに細い横道を発見。何を思ったか運転手さん、そこにバックで車入れようとしてどこかにゴッツン。OK, OK, we can walk from here!
ふ~~焦った~~~💦 なんとか奥のAn Villaに到着!
いやーでも、ガイドさんにタクシーつかまえてもらえて、ホント助かった。スーツケースと一緒に雨降り&暗闇の大混雑の中、セルフでは絶対無理だった。
ウェルカムはあたたかい緑茶と、ココナッツに珈琲風味の粉糖をまぶしたもの。
どちらもとっても美味しくって、しばし心地よいレセプションでゆるりと寛いでしまいました😍
今日は一日、長かったもんなぁ・・・。スタッフさんの心遣いと優しく響く声で、癒し効果倍増。
真ん中のプールを部屋から眺めて。
ホイアンらしい設えで評判のヴィラリゾート、An Villa。インテリアに一目惚れしたのもあるけど、少し中心部からは離れている分、のんびりを満喫できるかなって。オフシーズンなのはちょっぴり残念だけど、ベトナムの美しいものに囲まれた 2 nights をたっぷり楽しみたい!
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