いろいろな感受点とサインが分かったら、お次はそのコンビネーションを観る……
それがその人にギフトされた“不可侵の個性”や、よりよく生きるための“手がかり”になるの!
チャートを眺めていると、描かれた線の中に120度の三角形や、線の集中に気付くよね?
それが「アスペクト」です♪
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アスペクトって何?
2つ以上の感受点の間に特定の角度が形成されているものを、アスペクトといいます。
感受点の意味が強烈だったり悪い面であらわれやすいものがハードアスペクト、逆に感受点のいい側面が素直で調和的にあらわれやすいものがソフトアスペクト✨
とりあえず、太文字のアスペクトだけ憶えておけば、最初は事足りるかな~。
🌠メジャーアスペクト
ハード
・コンジャンクション(Conjunction、合 0度)
・オポジション(Opposition、衝 180度)
・スクエア(Square 90度)
ソフト
・トライン(Trine 120度)
・セクスタイル(Sextile 60度)
🌠マイナーアスペクト
・セミスクエア(45度)
・セミセクスタイル(30度)
・キンタイル(Quintile 72度)
・インコンジャンクト(Inconjunct 150度)
🌠複合アスペクト
・グランドトライン(すべて120度)
・グランドクロス(すべて90度)
・Tスクエア(90-90-180度)
・調停(180-120-60度)
・ヨッド(Yod、神の手 150-150-60度)
・カイト(Kite 120-120-60-60度)
・ミスティックレクタングル(120-60-120-60度)
例えば上のチャートで目立つアスペクトを拾ってみると、
と、こんな感じ✨
チャートを眺めて図形を探すだけなので、かなり感覚的!
天体がどのハウスのどの星座に入ってるか……もその人のカラーを決めるけれど、アスペクトでそれがよりはっきりするんです。
後半では、小泉元総理のNatal Chartを実践読みするよ😉
アスペクトのオーブって?
アスペクトが成立するには感受点同士の許容角度(オーブ)があって、メジャーアスペクトではオーブ広め、マイナーアスペクトや角度が厳密なアスペクトではやや狭くとります。
コンジャンクションやオポジションは、角度がゆるくてももともと持つ意味が強烈だからオーブは広めだけど、トラインやスクエアはもともとそこまで強い作用のアスペクトではないので、オーブはやや狭め。
また、ライツ(☉☽)のように影響力の大きな感受点を含むアスペクトだったり、複合アスペクトのように成立すると作用が大きい特殊なアスペクトは、オーブを広めにとって考えることが多いね!
では、それぞれのアスペクトの意味をご紹介✨
アスペクトの意味
メジャーアスペクト
コンジャンクション(合) ハード/ソフト
0度(オーブ±6-8度)。その感受点同士の良い面が相乗効果で増幅しやすいパワフルなアスペクト。スムーズにメリットが発揮される点でソフトアスペクトとも考えられるが、凶星同士だったりオーブがタイト過ぎたりすると、悪い面が強調されることもあるのでハードアスペクトにもなる。
オポジション(衝) ハード
180度(±6-8度)。緊張感ある配置で、引かれ合って互いの個性を強調し合う一方、作用が過度に出過ぎたりと、適切なパワーコントロールが難しい。ただし荒馬(ハードアスペクト)はうまく乗りこなせれば、ソフトアスペクト以上の結果や成長を得られることも多い。
スクエア ハード
90度(±4-5度)。感受点同士がお互い相容れずに反発し合い、悪い側面を強調し欠点になりやすい。困難を伴う代表的な不調和アスペクト。
トライン ソフト
120度(±4-5度)。2つの感受点同士が火・地・風・水の同じグループになるため、調和的でバランスよくお互いのよい面が素直にあらわれやすい。ソフトアスペクトの多いホロスコープの持ち主は、困難を伴わないためラッキーに恵まれる一方、“打たれ弱い”という弱点も。
セクスタイル ソフト
60度(±3-4度)。火と風、地と水という相性のよい元素グループ同士になるため、トラインに較べやや弱いが、協調的な作用を持つソフトアスペクト。
マイナーアスペクト
セミスクエア ハード
45度(±2-3度)。90度(スクエア)の弱いバージョン。
セミセクスタイル ソフト
30度(±1-2度)。60度(セクスタイル)の弱いバージョン。
キンタイル ソフト
72度(±1度)。2つの感受点の創造性が発揮されやすいアスペクト。
インコンジャンクト/クインカンクス ハード
150度(±2-3度)。相容れない要素同士だが、努力することでもともとの資質が伸びて成長できるアスペクト。
複合アスペクト
3つ以上の感受点で作られるものが複合アスペクト。
グランドトライン
幸運のアスペクトとも言われるトラインが、3つの感受点間で形成され正三角形を描くもので、大きな幸運や環境に恵まれやすいが、それに甘えて努力を怠ると平凡な人生にも。
グランドクロス
困難のアスペクトであるスクエアが4つの感受点間で成り立ち、その内部で2つのオポジションも形成される。困難は多いが、それをクリアするためのパワーも同時に持ち合わせるアスペクト。努力次第でスケールの大きな人生の展開に。
Tスクエア
3つの感受点間で、オポジション(緊張)とスクエア(困難)が形成されるアスペクト。困難を乗り越えるための活動性が発揮されやすくなる。
調停
3つの感受点間で、オポジション(緊張)とトライン・セクスタイル(調和)が形成されるアスペクト。扱いの難しいオポジションの高エネルギーを、うまく間の感受点がとりもってコントロールできる。
ヨッド、神の手
3つの感受点間で、2つのコンジャンクトと1つのセクスタイルが形成されるもの。天才型と呼ばれ、宿命的な困難を乗り越える過程で才能が花開くとされる。
カイト
グランドトラインにオポジションが加わり、2つの調停も形成される。恵まれた環境に行動力が備わり、結果を残せる有能な人物に。
ミスティックレクタングル
2つのオポジションを、それぞれ2つの調停が安定化させるアスペクト。タイプの違う要素を組み合わせ、新たな創造に向けてエネルギーを発揮することがポイント。
小泉純一郎のアスペクト
何はともあれ分かりやすい実例!ってことで、
✨小泉元総理✨のNatal Chartいきまーす。
元総理の魅力と素質とは?
まず太陽と水星がそれぞれ、MCを含む多くの感受点と複数のグランドトラインを持っていること。一番MCに近い天体(カルミネート天体)は土星で、土星がMCに合なのはマイケル・ジャクソンのところでも説明したように、粘り強い多大な努力の末に権威としての地位を確立する人。
そもそも仕事の10室に土星・天王星・木星の三つも天体があり、それぞれトラインやグランドトラインという幸運のアスペクトに支えられているので、それだけでも仕事で結果を残し成功する素質がある。その中でも最も重要なライツ(太陽と月)が社会的到達点であるMCにグランドトライン! 何も無理せずそのまま“自分らしさ”を追求していくだけで、自然と社会のトップを目指せる人なのね。
能力をあらわす2室では、MCにトラインの月(大衆人気を示す)の隣に、海王星(夢や理想像を示す)がコンジャクション。人々の理想を体現する人気者としての素質が最大の武器であるところに、娯楽の5室の太陽(創造性があり、基本的に楽しいこと好き)と労働の6室の水星(労働に知性を使う)が協力して、MCや仕事の10室にエネルギーを注入するわけです。
そりゃ、あれだけ人気の首相だっただけある!
ハードアスペクトが効いている
小泉氏の場合は、ハードアスペクトが魅力へと開花しているようです。まずキャラクターを定義するACに、土星と天王星がスクエア。つまり“頑固”で“変わり者”。ぶっちゃけ、その世界では異端でしょう。
でもこの土星や天王星は、既に書いたように恵まれたグランドトラインの一部でもあるわけなのよね。ってことは、その欠点すら美点に変える力がある。改革(天王星)や大きな仕事をやり通せる粘り強さ(土星)、そしてラッキー(木星)にも恵まれる。
で、金星が外見やキャラを定義するACにオポジション。金星はハードアスペクトであっても比較的悪い面の出にくい天体の一つで(ベネフィック)、女性に好かれる魅力的な外見で、愛嬌があるタイプです。素でそうである、というよりは本人もそれを武器と意識して利用していたのではと思います。
そこらへんがコンジャンクションではない、オポジション的な“行き過ぎる”部分。
加えて、ACには火星もトラインを形成。これは外見に男っぽさが加わるアスペクトです。金星と火星両方から魅力をギフトされている! 恐るべし元総理……。
金星はMC・土星・天王星にもスクエアというハードアスペクト。もともと金星は恋人との関係を示す星であって、ほぼ7室(結婚やパートナーシップ)の位置にあります。なのでお仕事というよりは、プライベートで愛情表現が苦手だったり冷たかったり(土星)、突然関係が解消されたり(天王星)という風にあらわれているんじゃないかな。本人はロマンチストだし(金星と木星がトライン)、恋愛は好きなハズだけど(5室に太陽)。
🌠ベネフィックとマレフィック
太陽・月・金星・木星は吉星(ベネフィック)、火星・土星・天王星・海王星・冥王星は凶星(マレフィック)と呼ばれます。
簡便のためそういう名前が付いているけど、アスペクトや、天体とサイン(星座)の相性によって、それは変化します。この分類に従って単に良し悪しを判断しないよう、気を付けて!
🌠ハウス境界の5度前ルール
次のハウスの境界線に近い天体は、境界線の5度手前から、次のハウスの影響を受けると言われています。ここでは第6室の終わり近くにある金星が、次の第7室の影響を受ける(そのハウスに入っているのと似ている)ということ。もちろん、近いほどその影響も大きい!
ちょっと話が逸れた💦
水星・火星・冥王星のTスクエア(オポジション+スクエア)は、政治家としてはこれまた、うまく使えているアスペクトだと思うんだよね。
水星(労働の6室)と冥王星(見えないもの、深層心理の12室)のオポジションは、徹底して水面下で考え抜いている知性や洞察の深さを感じさせ、この水星はMCや仕事の10室にいる天体のサポートにはたらいている。
その水星に9室おひつじ座の火星(学び好き)がスクエアなら、非常に舌鋒鋭く正面切って正攻法で論破する。このスクエアはオーブがタイトでほぼ正確に90度なので、よりその傾向ははっきりしている。
なんというか、ソフトアスペクトで恵まれた状況が整っているだけでなく、この正確な攻撃性を備えたTスクエアを持っていることが、結果として政治家としての有能さを支えてたんだと思うんだな~。
アスペクト以外も読んでみる!
外見やキャラクターを定義するアセンダント(AC)はしし座。頑固(土星がスクエア)で変人(天王星がスクエア)、でも人に好まれる外観・人柄になる(金星がオポ、火星がトライン)のは前に挙げた通りだけど、この方本当にACしし座的な外観なんだよね~。
堂に入った表情で、髪型がゴージャスなのが特徴……ライオンのたてがみっぽく、豊かで外に向かって広がるヘアスタイル。女性だと派手な巻き髪とか。あと、エラがしっかりしてて、鼻梁が高くてまっすぐorややわし鼻の人多いね。
そしてリーダーシップ。ACおひつじ座だと「行こうぜ!」って自分が先陣切って率いるリーダーだけど、ACしし座の場合は本人が動かなくても、凡人と違う存在感に人が集まり盛り立ててくれる感じ。しし座気質はきっぷがいいので、鼻孔も大きくなりやすい(←人相学的には、出るお金が多いと鼻の穴も大きい)。
身長は伸びない要素が多い(ACしし座、天王星と土星がスクエア)ので、多分低くなる(公式には169㎝)。
私服は結構個性的。自分らしさを大切にし注目されることは好きで(ACしし座)、人と違うものや新素材、おそらく新しいスマホとか最先端の電子機器や家電好きだと思う(金星みずがめ座)。
娯楽の5室は太陽のホームなのでその意味も強調されて、アポロンらしく芸術や音楽好きだよね。芸術的な才能や嗜好は、一般的には金星・海王星・月あたりで観るんだけど、ACと金星がオポ、能力の2室に月と海王星があって、芸術の中に飛び込んでいけるというか、その中に溺れることが至福じゃないかな?
でも同時に仕事も大好きだよね(天体の多い2・6・10室は仕事関連ハウス)。そしてこういったプライベートの好みや活動も、結果的に社会的活躍の後押しになるタイプ(プライベートをあらわす下半球にある惑星が、MCによい角度を取っているので)。
🌠ノーアスペクトの場合はどうなるの?
ひとつひとつの天体が、ほかの感受点とアスペクトを持たない場合は「ノーアスペクト」と呼び、その天体のエネルギーの行き場がなく、うまく活用できなくなりやすい(こもる)といわれます。
そういう天体は“おたく”的に、純粋培養でその天体らしさを開発するのもひとつ。星は使いようなのです!
星からのGiftを活かし切る
グランドトライン持ちってことで検索して、今日初めて小泉さんのNatal読んだんだけど……まさに生まれながらにギフトされたものを、徹底した努力で活かしきったんだなって感じ。
すごいねこのチャート。参りました。
でもね、みんなそれぞれに星からのメッセージはNatal Chartに表れているの! 自分をよく知ることは、失敗を回避し、困難を乗り越えやすくして、人生をめいっぱい楽しむことに繋がって行くんだよね✨
サイン、ハウス、天体、そしてアスペクト。
ここまで来たら、読み始められるはず。
そして面白いNatal Chartを、これからも少しずつご紹介していきます!