- Fri, 6 July 2019 -
1 ニース発バス・ツアー
1.1 モナコ公国
1.2 ”鷲の巣村”エズ
1.3 アンティーブ
1.4 カンヌ
1.5 天空のサン=ポール=ド=ヴァンス
2 第二夜
2.1 By PM L’Atelier
2.2 夜のニース港
爽やかな小鳥のさえずり。
Hotel Villa Roseでは、朝食を中庭で食べられるの。
さっすがフランス!と思わずにいられない、美味しいバゲットやペストリーの数々……いけない、と思いつつほぼ完食。
ゆっくり朝のひとときを過ごしたところで、今日のツアーのピックアップ。大人数ツアーについていくだけで英会話の必要なし!と思ってたのに、ゲストは
イギリス&カナダのネイティブ3名+あたし!
ドライバー兼英語ガイドは、
お喋りでノリのいい早口のフランス人。
……うわー大変そー……💦
ニース発バス・ツアー
ニースは南側を海、残り3方を山に囲まれていて、規模こそ違えど鎌倉みたいな地理条件なのね。山肌には白い岩が剥き出しになっていて、その合間のわずかな土地を生かして生活圏を広げていった様子が、車窓の景色からも見てとれる。
鎌倉は敵から守りやすい地形ということで幕府が置かれたけれど……
ニースは東に岬を持つ地形的特性から、もともとは豊かな地中海都市マッシリア(西側にあるプロヴァンス地方の現マルセイユ)を狙うアフリカからの海賊や、イタリアの海洋都市国家ジェノヴァやピサの脅威からの、防衛拠点として建てられた都市(当時のニカイア)だったの。キャッスル・ヒルはその要塞跡。
今はヴァカンス客で賑わうこの地域が思いのほか勇猛な意匠の紋章を持つのは、そんな歴史のせいなのかもしれないね。
ニースの属する
アルプ=マリティーム県
の紋章
頻繁に攻撃を受ける沿岸都市から逃れて、山のてっぺんに要塞都市もつくられた。それが、ニース周辺の山に散在する「鷲の巣村」と呼ばれる小さなコミューン。
バスツアーではモナコ公国と、コート・ダジュールの海辺の街、そして山間部に残る中世の要塞都市を巡っていく。
モナコ公国
Principauté de Monaco
最初に訪れるモナコは、世界で2番目に小さい”プリンス”の国(1番小さいのはヴァチカン)。現在の大公アルベール2世は、レーニエ3世とグレース・ケリーの息子。数年前に、クール・ビューティーな競泳選手のシャルレーヌ妃と結婚したニュースを耳にした時は、モナコの系譜らしいよなぁって思ってた。
シェンゲン協定国ではないけれど同等の扱いなので、フランスからは入国審査なしで入れるんだって。 モナコ国内を走るのは実はフランス国鉄(SNCF)で、 たった2㎢しかない国土を有効活用するため、線路はほぼ全線地下を通っているそう。
モナコに世界中からお金持ちが集まるのは、個人居住者に所得税がかからない”タックス・ヘイヴン”だからなのね。住人の84%が外国籍。富裕層が高額な宝石などを身に付けて外出しても安全に過ごせるように、治安をかなり強化しているんだって。
ポリスが多いためか国土が狭いためか、車を停めているとすぐに注意されるので、「ぐるぐるそこらを回って、時間になったらまたここに戻って来るから!」と、ガイドさんはそそくさと車に乗って退散。
呆れるほど綺麗な、まだ人もまばらなサン・マルタン公園からの港の眺め。朝の澄んだ空気と乱れのない水面、ひときわ綺麗なモナコ港……ため息が出る。
大きな港の方は山から生まれた雲が垂れ込め、穏やかな色合いに。でもやっぱり、素晴らしいのは変わらない!
毎日こんな景色を眺めて暮らすのって、どんな気持ちなんだろうね。
で、モナコのF1グランプリはこの大きい方の港に沿って走るんだ! あぁ、目の前で見れたら大興奮しちゃうなコレ。。。
街中をF1が走り抜けるなんて!!
今度は港に沿った東側に。超高級ホテルとカジノが集結していて、オテル・ド・パリ前には高級車が並んでる!(高級車でない場合は、ヴァレー・サービスで人目につかないバックヤードに持って行かれてしまうんだとか……)
その前には噴水と、ゴージャスなカジノ・ド・モンテカルロ(グラン・カジノ)。パリ・オペラ座と同じく、シャルル・ガルニエ設計。狂乱の時代、ベル・エポックの昂揚感と頽廃感をあわせ持つデザインね。
”鷲の巣村”エズ
Èze
贅を尽くしたモナコから一転、ニースから近い鷲の巣村・エズへ。
エズ村のふもとには、フラゴナール Fragonard の香水工場の見学ツアーがある。
もともとはニースから30㎞にある、香水の街・グラースで生まれたブランド、フラゴナール。このツアーは、その後に続く併設ブティックでの販促の意味が大きいようで、ツアーガイドさんが説明のあとそのまま割引チケット係となり、商品の案内までしてくれちゃう。
緑豊かな山間で、時間の流れもゆるやか。フラゴナールの香りは嫌味がなく、強過ぎないので誰にでも好まれそう。パッケージも素敵でおみやげにぴったり!
でも、もっと素敵で目が離せなかったのが、スタッフが着ているフェミニンなプリント柄のワンピ(笑)撮っておけばよかったな……。
いよいよ坂を上って、鷲の巣村・エズへ。
中世から要塞都市として、他の海洋都市からの攻撃に備えてきた村々の一つ。海抜400m以上の岩山に作られた村は当時の中世の趣を残していて、そこだけ時の流れから取り残されたよう。
枝分かれしてくるくる回る狭い階段は、ちょっとしたラビリンス。
……とまぁ、美しく絵になるそぞろ歩きはとっても楽しそうに見えるけど、実際は暑くて坂も多いくて結構つらい。ガイドさんは「軽い食事できるところがあるから、昼でも食べてきて!」って送り出してくれるんだけど、ゆっくり食べる時間だって全然ないのよ~。
かゆい所に手の届く日本人ツアーと違い、トイレの案内もないし(聞けばしてくれるかも)、観光パンフも配られないし、ランチの時間も設定されていないわけ。目的地に着くと自力で地図を見、インフォメーションを訪ね、短い滞在時間でお腹を満たし数少ないトイレも探し当て済ませないといけない……。
このツアーはたくさん周るぶん、かなりギリギリなの!
☑エズの植物園
暑さと脚の疲れで諦めちゃったけど、さらに奥にサボテンのある絶景の植物園があるんだって。景色を見るためだけでもオススメだそうです!