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  1. SEASIDE

人生の休日⑦アルベロベッロとマテーラ

Sat, 12 Jun 2011
1 妖精の棲むアルベロベッロ
  1.1 石灰岩のとんがり帽子トゥルッリ
2 洞窟都市マテーラ
  2.1 洞窟レストラン
  2.2 南イタリアの血脈
3 ”Vedi Napoli, e poi muori.” ナポリを見て死ね

妖精の棲むアルベロベッロ

南イタリアに入ってはじめての朝。
可愛らしいホテルから、歩いて妖精の町へ繰り出す。

石灰岩のとんがり帽子トゥルッリ

とんがり帽子のトゥルッリTrulli、世界遺産のアルベロベッロ Alberobello。-lloは単数形、-lliは複数形。美しい木という意味のイタリア語だそうだ。

“屋根のある家” に税金が課せられていたため、取り外しの可能な屋根をつくったことが、このとんがり帽子の家の始まりなんだとか。

ベルヴェデーレの丘 Giardino belvedere から眺める景色は壮観!!


トゥルッリは、中心のポポロ広場から南側にある旧市街に集まっており、人口は約1万人。

今も生活に使われているトゥルッリの集まるアイア・ピッコラ Aia Piccola 地区と、お土産物屋が集まる商業地区リオーネ・モンティ Rione Monti がある。


ここプーリア州 Puglia はカルストのため地下水源はあるも地表は乾いており、それぞれのトゥルッリに必ず雨どいと貯水槽がつくられている。

壁は2メートル! とっても厚くて、そのおかげで夏は涼しく冬は暖かい。

白い壁も灰色の屋根も、同じく石灰岩のみで作られていて、屋根の方は経年変化で徐々に黒っぽくなるんだって。


屋根には三重円で表される太陽や、月や十字・・・
白とグレーで調和した不思議な町は、お伽話の妖精の国みたい。

鳥人間みたいな風見鶏
DUCA D’AOSTAはイタリア巡洋船の名らしい


石灰岩の白い壁の中に、いろんな色が混じり合っている。


白とグレーの景色に、お土産屋さんが色とりどりの華を添えて。


こんなに似合う場所もなかなかないよねぇ。
トゥルッリ&ミニ!


町歩きを堪能したら、東から西へ、プーリア州からバジリカータ州へ。目指すは世界遺産の洞窟都市、マテーラ Matera

世界のワインとワイナリー(キリン)から改変

洞窟都市マテーラ

マテーラの世界遺産は、3000を超える洞窟住居と130ほどの岩窟教会
キリストの受難を描いた映画「パッション」の撮影地になったことで、知名度が上がったんだって。


ここには修道士たちがつくった岩窟教会がいくつもある。立ち寄ったのはサンフランチェスコ・ダッシジ教会


13世紀にもともとあった岩窟教会の上にロマネスク様式で建造され、のちにバロック様式のファサードが付け加えられた。


今は美術館として使われているランフランキ宮殿は、17世紀後半に修道士によって神学校として建設されたもの。聖人や聖母の像が収められている。

でね、ひとつひとつの像に必ず鳩がとまってるの!

これ以上ないくらいに馴染んでる鳩

洞窟レストラン

お楽しみのランチは洞窟レストランで!


ちょっと薄暗いけど、渇いた石灰質の土壌を持つ南イタリアは、葡萄もオリーブも有名な土地柄。安くて美味しい食事ができるんだって。

暗い店内で辛うじて撮れた💦 美味しかった~✨


シンプルながら絶品オレッキエッテに始まる3プレートランチを、イタリア時間でゆっくり楽しんだら・・・


いよいよ石灰岩を掘ってつくられた、洞窟住居サッシ Sassi の散策へ!

南イタリアの血脈


Sassi(複数形)の単数形はSassoで、イタリア語で ”岩” の意。

古くは石器時代から、人の棲み処として岩に掘って作られた洞窟住居。おびただしい数の家が斜面を覆い尽くすように広がる様は、人影のなさと相俟って一種異様ですらある。


昔サークルで絵の指導をしてくれていた常世先生は、マテーラをこんな風に描いてた。

”Matera” TAKASHI TOKOYO


南イタリアの町々は、ほんの1~2kmのエリアにぎっしりと、その濃く渇いた血脈が縦横無尽に張り巡らされている感じがする。


陸の孤島と呼ばれたマテーラ。その劣悪な衛生環境から、近年ようやく3万人中半分が新住居に移動したところなんだそう。

そんな貧しい農民や修道士が棲み付いていた質素なサッシも、いまや内部がリフォームされて、リッチな人々が好んで住む家やホテルになってるんだとか・・・。


家の中はこんな雰囲気。モダンに過ごしやすく改良された、お洒落な洞窟ホテルも人気なんだって。


夕暮れを待たずにそろそろ出発。
夕方になると旧市街がオレンジ色にライトアップされ、一段と哀愁を湛え見事な美しさを見せるそうだ。

 ☑岩窟教会
このツアーはサッシとその景観が中心でしたが、マテーラには多くの岩窟教会が存在します。写真のサンタ・マリア・デ・イドリス教会サンタ・ルチア・アッレ・マルヴェ教会など、興味がある方はぜひ寄ってみて!

”Vedi Napoli, e poi muori.”

バスで揺られて約4時間、そろそろ今日の宿が近くなってきた。

そう、サンタ・ルチアやフニクリ・フニクラは誰しも一度は耳にしたことがあるであろう、ティレニア海側の美港ナポリ Napoli


世界遺産に登録された歴史地区を持つこのナポリに対し、

ナポリはおしっこくさい

と暴言(名言?)を吐いていたのはBFの英国人。

でも ”ナポリを見てから死ね” っていうじゃない、まさか~・・・とあたしは思っていた。
いやでも、それはまんざらウソじゃなかったのよ!

最近、渋滞のひどいナポリでは観光バスの駐車を禁止したとかで、車窓からの観光のみなので臭いは正直不明。
でもそこかしこにゴミが散らかってるナポリ。

近くに行って臭いが気になるとしても、遠くから見れば世界三大美港で世界遺産だなんて、何か騙されてるみたい。

確かに、ちょっと遠目に見るにはきれいなの、いろとりどりの建物が集まって、港もあってさ。
でも何故かゴミが多く、ガラの悪い感じのお兄さんたちが多いの。

治安の悪い街の夜は無理に出歩かない方が得策でしょ・・・と思いながらホテルに着くと、目の前の大通りにも何故かゴミの山が!

ホテル前のゴミ山


なんでも収集業者がよくストライキを起こし、こんな状態になってるんだって。いまや添乗員さんも、
(ゴミでいっぱいの)ナポリを見て(ショックで)死ぬ」
なんて冗談を言っているそうだ。

は~・・・。


でもホテルはなかなかよくて、久しぶりにレストランらしいsophisticateされた食事を口にした気分。パスタは歯ごたえよくアルデンテ、彩りも楽しいハーブは香り立ちもよくて、揚げたての白身魚もホクホクして完食!!

あ~やっぱりイタリア来ると、食事が美味しいよねぇ。

現在は改善? ナポリのゴミ問題
2010年代はゴミ問題もピークで特に郊外が酷かったとのことですが、現在はゴミ問題&治安面もだいぶ緩和してきているとの話です。


ここナポリを州都とするカンパーニア州は、カプリ島アマルフィ海岸など豊かな地形の起伏を持ち、古くからローマ皇帝たちにも愛されてきた地域。

明日はナポリを拠点に、前半ツアー最後の観光に向かう。


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