North, South, East and West ーあたまの中を旅しよう。

  1. SEASIDE

3度目のスペイン②1日しかないなら迷わずトレドへ

サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会

最後に訪れたのが、サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会 San Juan de los Reyes。あたしはココが一番好きだな。

1476年の戦いでポルトガル軍に勝利した記念に建てられたもので、ゴシック様式とムデハル様式が融合したスペイン独自のイサベル様式(スペイン後期ゴシック様式)と呼ばれる建築物。紋章やオーブやさまざまなモチーフ、特にカトリック王の象徴であるヨークと矢とザクロが装飾に使われているのが特徴で、帝国の富と権威を示しているのだそうだ。

門の上中央に下がるのは双頭の鷲の紋章
十字の下には敵の兜と骨、上には巣作りする鷲?


単身廊では丸天井のリブが星形に広がり、

主祭壇の丸天井リブ


側壁は大きな鷲に支えられ、玉葱の頭のようなオジーアーチや聖人の彫像で飾られたカトリック両王の紋章が並ぶ。

圧倒される装飾の数々


細か過ぎて、拡大しないと伝わらないこの凄さ!! 日本人もたいがいだけど、スペインの人たちって、かなり器用なんだと思う・・・そしてこういうのを見るにつけ、カトリック教国の信仰への尽きることのない熱量に圧倒されてしまう。

鷲とその上にオジーアーチ、下に紋章とライオン
人物像がひとつひとつ違うのにも感嘆


みてこの回廊! もうこれだけでも心が晴れやかになって胸が熱くなるよ・・・✨

美しい中庭の緑とゴシック装飾に彩られた回廊


1階が後期ゴシック様式。ちなみに ”ゴシック” は ”野蛮なゴート風の” という意味で、蔑称として後世の人がつけた呼び名だそうで。トレドを最初に都としたのが、ピレネーを越えてイベリア半島にきた西ゴート族だったことを想い出すね。

確かにある意味荒々しく、天に伸びる尖った形状はそう揶揄された時期もあるのかもしれないけど、あたしは好きだな~ゴシック。壮麗で華やかで、天上への憧れや人の向上心の表れのように思えて。

2階がプラテレスコ様式、その上はムデハル様式。2階の天井にはイスラムの星(正方形2つで構成される八芒星)を元に立体的に重ねられた文様が、恐ろしいほどに規律正しく美しく。ポルトガルを倒した際の王国、カスティーリャとレオンの紋章も組み込まれている。

気の遠くなる作業だろうな~😍✨(想像してワクワク)


そして構造を支えながらも華麗な1階のリブヴォールト。。。ため息もの。

いざ絶景のミラドールへ

いや~、Google mapなかったらこんなにスムーズにいかなかったなぁ。充実の散策を胸に城壁の外へ出て、壁に沿ってビサグラ新門へと歩いていく。確かその辺りに、ミラドールへ行くSightseeing Busの停留所があるはず。

トレドを囲む城壁は西ゴート時代にその起源があり、激しい勢力争いが繰り返された結果、ムーア人やキリスト教徒がさらに町の城壁化を進めたのだそう。

16世紀半ばに建てられたビサグラ新門に、神聖ローマ皇帝の紋章である双頭の鷲・・・おぉ~空とのコントラストがお見事。中世に栄えた都の入口に相応しい雄々しさを感じるね。

ビサグラ新門


そういやバス停はどこ?とキョロキョロしてたら、ブッブーと赤い観光バスが目の前を通り抜けてく・・・。

あっ、待ってー!
乗せてーーー!!

って手を振ったけどムダだった😰

このあと30分は来ないな~💦 と近くのタクシー乗り場まで。これもちょっと分かりづらくて暑い中だいぶ右往左往したけど、なんとか掴まえてミラドールのレストランLa Ermitaへ。

旧市街を眺めるErmitaで舌鼓

実はトレド、日曜日はレストランが早く閉まっちゃうのよ。
La Ermitaも、最終入店は15:30。で、その時間に遅いランチ・早いディナーとしてGoogle mapからWeb予約しておいた。

なんといっても、ガラス越しにこの景色を見ながらのお食事が大人気!!

タホ川の向こうにのぞむ旧市街


わーお 

ところがなんと! こんなに観光客に人気なのに、英語のメニューがないの😲
可愛い担当ホールスタッフも、なんか明らさまに英会話に腰が引けている。英語分かるスタッフ呼ぼうにも、店内は満員御礼でみんな忙しそう・・・。

そこで再びGoogle mapの料理写真から指さし注文✨ Google mapさまさま~♡


飲み物は白のサングリア。最初の頃は1杯ずつ注文していたんだけど、スペインは暑くて乾燥してるから、アルコール度数の低いサングリアはジュース代わりにがぶがぶ飲めちゃう。2人でピッチャー頼むとちょうどいいって納得! 

そしてお通し的なオリーブの塩水漬け、ブッラータとナッツ・オリーブオイルをかけたアスパラ・ズッキーニ・トマトなんかの夏野菜のサラダ、これがもうめっちゃ美味しい!!

お国柄どうしても夏野菜ばかりになりがちだけど、合わせるナッツやチーズやオリーブオイルが濃厚で、見事なほどの一品料理に昇華✨ スペインのオリーブオイルは骨格がしっかりしてて、いい意味で重さがあるからお料理にも深みが出るね。
生ハム入りクロケットは、定番のオススメ料理のはずが案外普通(笑)

でも極め付きは何気ない顔したこのパン。素朴なんだけど、外はカリっ、中はしっとりもっち~り。小麦の風味がよく伝わって来て、思わずおかわり(別料金)してしまった😍
スペイン、パンやペストリーが予想以上に美味しい気がする!

最初頼んだ魚料理はsold outで別のオススメを


最後に白身魚のグリルの多分パプリカソース・・・にキノコ&ハーブ、オリーブオイルがけ。これもなかなか美味でございました✨


食べ終わって、そのままミラドール・デル・バイエ Mirador del Valleへ。
天気にも恵まれ、素晴らしい眺め・・・やっぱりトレドに来たら、絶対ココにこなくっちゃね!!

絶景スポットミラドール
中を歩くのも楽しいけれど、やっぱり一度は見たいミラドールからの遠景のトレド。観光バスや地元のバス、ソコトレンという観光列車のほか、徒歩で30-40分(暑い時期は辛い💦)、タクシーなどで10-15分。近くには食事をしつつ眺められる絶景レストランや、カフェなどからの眺めが最高とウワサのパラドール・トレド(パラドールは城や館など由緒ある建物を利用したスペインの国営ホテル)があります。


さて、せっかくWebチケットを購入してあったSightseeing Bus。でも停留所にはなぜか時刻表がないのよ。
かわりにQRコードがあって、そのリンク先にバスの現在地とか時刻表とかが出るっぽいんだけど、トミーのiphoneもあたしのAndroidもアプリが開けないんだよね! 
いつ来るかがわかんない。。。

「前のバスはいつ頃来たの?」と売店のおばさんに英語で聞いたトミー、スペイン語の返事であえなく撃沈😆

本日残暑で33度。暑くてワンピの裾も結んで上げてるくらい💦 暑くて日陰もないのに耐えられず、ミラドールで客を下ろしたタクシーをつかまえて、2㎞先のサン・マルティン橋 Puente de San Martin で降ろしてもらった。

13世紀後半にできたサン・マルティン橋


タホ川に架かる中世の橋を眺めたら、日陰を見つけつつ1㎞ほど歩いてホテルまで。

千夜一夜のアラビアン体験

ようやくチェックインするのは、Riad Medina Mudejar Toledo! ここはアクセスがちょっと大変そうで迷ったけど、やっぱお部屋に一目惚れして♡
Mudejarはなんて読むのかと思ったら、”ムデハル” ね。ぜひ👆のリンクでお部屋も見てみて!

Medina Mudejarのフロント


フロントからしてテンション上がる!!

お部屋でも、意表を突く絶妙な色づかいが冴えてました✨ そして広い😍

エッセンスの凝縮されたバスルーム


水着に着替えてこれから1時間ほど、ミントティーサービス付きのハマム(アラブ風呂)へ♪
いってきまーーーす!!

夜のトレドを周るSightseeing Bus

ふぅ~ランプだけ灯っているハマム、幻想的でロマンティックだったな~✨
予約すれば宿泊客以外も入れるみたい。でも熱烈カップルだらけで目のやり場に困るし、ふつうの日本人には刺激が強過ぎるかも!?

ま~僕たちは大丈夫でしょ(笑)


冷房の効きがよいお部屋でひと息ついて汗が引いたところで、Sightseeing Busで再びミラドールに向かう! アルカサル近くから20時頃出るのを知っていたので、ちゃんと乗れた(笑)

9月のスペインはまだ一日が長く、今日の日没は20:47。この前後30分が夕焼けタイムなの。


今日は雲多めだから、ほんのりと穏やかな夕焼けだね。


眠りに落ちゆく旧市街。バスは展望台で5分ほど写真ストップしてくれる。

乗り降り自由のチケットなのに、結局これが初めての観光バス乗車になった💦
でもとっても良かったよ~! イヤホンが渡されて、日本語でもいろんなうんちくが聞けるようになってるの。これがかなり面白くって聞き入っちゃったわ。

サンティアゴ・デル・アラバル教会


天井はオープンにしてくれて、狭い通りを抜けると夜の旧市街が、左右から覆いかぶさるように迫力の姿を見せてくれる。


出発地点のアルカサルに帰着して、スペイン第2日目が終了~~~✨

アルカサル(スペイン軍事博物館)Alcázar de Toledo
一時的閉鎖のため一部のみ無料観覧という情報があり、今回は見学しなかったアルカサル。
旧市街の最も標高の高い所に位置し、11世紀にアルフォンソ6世が建設した城塞。以降500年に渡り、トレドの軍事拠点として重要な役割を果たした。

歴史上火事や焼き討ちに何度も見舞われ、1936年のスペイン内戦でフランコの反乱軍が立てこもり、共和軍の砲撃でほぼ壊滅状態に。再建は1940年から始まり1961年に完成した。正方形の四隅に小塔を伴った近代風の建物で、東のファサードが中世、西がルネサンス様式、北がプラテレスコ様式、南がチュリゲーラ様式。


今日もまた盛りだくさんで感動いっぱいだったね~と、ふたり手を繋ぎ、夜の旧市街をアラビアン・ホテルまでのんびり歩いて帰るのでした。


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