- Sun, 5 Jul 2015 -
1 カタルーニャ建築の傑作
2.1 コロニア・グエルの地下聖堂
2.2 サン・パウ病院
2 ガウディの足跡
3.1 グエル公園
3.2 カーサ・バトリョ
3 カタルーニャ音楽堂でフラメンコ
海外脱出……3年ぶり!
スペイン再訪、16年ぶり!!
思い返せば、はじめてのまともな海外の旅がスペインだったなぁ。日記にも書けないアレコレ含めてさ。
↑墓場までもってく
と言っても、今回はバルセロナ Barcelona がターゲット。初回に訪れたアンダルシアやマドリッドとはまったく毛色の違うカタルーニャ Catalunya 地方で、一度はガウディ建築をこの目で見たい。
フランス近くに位置し、世紀末にアール・ヌーボーの影響を受けたモデルニスモが花開いた地。
バルセロナ行はかなり遅れて、深夜にタクシーで今夜のホテル、スペインらしいお部屋が魅力のメソン・カスティーリャ Mesón Castilla に到着。
ここから3日間は、バルセロナをめいっぱい味わってみる。
カタルーニャ建築の傑作
気持ちいいパティオの朝食で一日がスタート。
いつもとほぼ同じ6時間すとんと眠れたせいか、ジェットラグなしに快適な目覚め。
まずはじめに、市街から離れたコロニア・グエル Colonia Güell に向かう。ガウディを調べていて、ココは絶対見ておかなくちゃ! と思ったんだよね。
地下鉄でエスパーニャ駅に出て、そこから鉄道でS4/S8/S33のどれかに乗車。リターンチケット+入場料で15ユーロ! わくわく……
コロニア・グエルの地下聖堂
1本逃しだいぶタイムロスしたあと、20分ほどでコロニア・グエル駅到着。
なんと無人駅。そして降り立ったのはあたしひとり!
ここは、グエル伯が繊維工場を田舎に移転し作った労働者の居住区で、その中の教会の地下聖堂部分がクリプタなの。
独得のアーチ形状に関するガウディの懸垂実験は着工までの10年におよび、これを見守るって、エウセビ・グエルも相当胆が据わっているよねぇ。
そんな懐の深いパトロンの後押しがなかったら、ガウディもこんなに作品をのこせなかったかも?
地下聖堂はほとんどガウディと数人の職人による手作業で造られ、そのため時間がかかり地上部分は手を付けないままに終わり、「未完の傑作」と呼ばれる地下部分のみが完成されている。
それがこの、何か大きな生物の、体を支える骨格と脚にも思えるカーブで構成された空間。
複雑なのに美しいのは自然界でもよくみられる造形だけれど、そんな見慣れたカーブが建築の構造として、用いられるのは異例。並べられた椅子の造形にも、ガウディらしさが生きている。
この他に類を見ない力学構造を持つ聖堂内は、母の胎内のような、絶対の安定感。いくら見ていても飽きないこの空間に、いつまでも座っていたくなる。
眩しい青空のもと、オーディオガイドを聴きながら村をゆっくり一回り。
広場にはガウディの像が座り、周りにはバルで寛ぐ人がいて、村全体にのんびりとした雰囲気が漂っている。
さぁて……
駅から持ってきた時刻表を見てみると、げっ帰りの電車も本数すくなっ!(土日だかららしい)
あ~1時間に一本しかない……最初によく見ておくんだった!
どうりで観光客が少ないわけね……。
駅のホームで待つ間も気温はどんどん上がり、組んだ脚からじわじわ汗が垂れる。
そんなこんなであっっつ~い中、ようやく次のサンパウ病院 Hospital de Sant Pau に着いたのはお昼過ぎ。
サン・パウ病院
今日はラッキー、第一日曜日の無料見学日!
ガウディに先立って建築家として成功した、ドミニク・イ・モンタネール Demènech i Montaner の代表作で、駅からもその美しい建物が際立って見える。
老朽化で閉鎖される2009年までは、病院として機能していたというから驚き。修復作業のため長く閉鎖されていたが、つい最近正式に一部が公開されたばかり。
カラフルな内装ながら、素材はタイルづかいで清潔を保ちやすそうだったり、体育館並に大きな空間にカーテンなしに患者さんが並んでいた様子など、実用性と心理的な治療効果と両立させた上で、芸術としても完成度が高い。
完璧な調和を求める成熟したモンタネールの人となりが、
建物から伝わってくるような気がした。
正面入り口を出るとまっすぐサグラダ・ファミリアに向かう道が。てくてく歩いて、サグラダを遠くに眺めつつオープン・カフェで一休み。
1
2