- Thu, 16 Jun 2011 -
1 シャルトル大聖堂
2 ワイン銘醸地、ロワール
3 勇壮なシャンボール城
4 6人の貴婦人の城、シュノンソー
いよいよ後半戦、北フランスツアー初日!
バスに揺られてパリから90km、ゴシック最高峰のひとつシャルトル大聖堂 Cathedrale Notre-Dame de Chartres へ・・・
シャルトル大聖堂
まずはその外観から。
100mを超える2つの尖塔が曇り空に高くそびえ、ひとつは1140年からあるシンプルな角錐、もうひとつは16世紀初めの後期ゴシックとなるフランボワイアン様式(火焔式)の華やかなもの。
ゴシック建築の特徴である飛梁 flying buttress(塔の一番外側に張り出している外郭構造)が備わることで、背の高い身廊内部の空間をより高く広く支えることが可能になり、明かりとりの大きな窓や壮大なステンドグラスなどの装飾ができたんだそうだ。
貫禄ある外観に圧倒されつつ、聖堂内に。
たくさんの子供達が並べられた椅子に座り、そわそわして何か囁き合っている。
しばらくすると、神父さまと思しき方の先導で、合唱の練習が始まった。どこかたどたどしい子供達の歌声が、巨大な身楼の中に広がってゆく。
教会の建築や装飾は、人の心の留め金を解くために在るんだろうな。目にするだけで人をしがらみから解放し、天高く誘(いざな)ってくれる・・・。
この青いガラスの中でも、ひときわ明るく輝くブルーが ”シャルトル・ブルー”。
人々に愛されたこの見事なステンドグラスは、戦が起きると戦禍の及ばない場所で大切に保管され、その後また大聖堂に戻されていたのだそう。現在行われている修復作業では、当時のシャルトル・ブルーに用いられた高価なコバルトブルーを使っておらず、そのためかなり暗い青しか再現されないんだって。
傍らには、フランス革命で破壊された膨大な彫像の顔が、修復を待って並べられていた。
そして、薔薇色のひかりを灯す一角に奉られているのが、聖母マリアのものとされているサンクタ・カミシア(Sancta Camisia、聖衣)。
あたたかみのあるやわらかなそのひかりは、見事な細工のステンドグラスと重なり合い、祈る人のための抱擁となるかのよう。
いつまでもそこに抱かれていたいと思わずにいられない、そんな一角だ。
サンクタ・カミシアは、876年に収蔵されて以来度重なる火災にも失われることなく継承され、大聖堂ももとは、それを一目拝もうと集まる巡礼者のために建てられた教会だった。
そして今もこの聖遺物を目指して、多くの信者がここを訪れている。
さて、お次はロワール川 Loire 流域のお城へ!
川の源流はフランス南方の涼しい高地から生まれ、北上したのちオルレアンで西に方角を変え、ナントに至り海へとそそぐ。
緩やかに長く流れる河畔では、しばしば洪水との闘いが繰り広げられたのだそう。
ワイン銘醸地、ロワール
城に向かう途中、狩りがさかんなこの地方ならではの、狩猟小屋風レストランでランチだよ!
いただいたのはキッシュとお肉の煮込み。ロゼワインと一緒に、ん~美味しかった~~♪
🍷ロワール川沿いはワイン銘醸地
ロワールのワインは大きく4つの地区に分けられてるの!
①ロワールの河口に近いペイ・ナンテ
②アンジェとソミュールを含むアンジュー・ソミュール
③シュノンソーなどの古城が集まるトゥーレーヌ
④ブルゴーニュに近いサントル・ニヴェルネ
旅の当時はまだ広すぎて遠かったワインの世界が、10年以上経った今、手の届く距離で深まっていたりします✨ 旅を見直していると、そんなことにも気付いたりする😉
勇壮なシャンボール城
ロワール渓谷最大の城といえば、シャンボール城 Chateau de Chambord。
元はフランソワ1世の狩猟小屋として利用されたもの。華やかな装飾性を重視した建物や広々とした空間は長期滞在に向かなかったそうで、結局彼が主に住まいとして過ごしたのはブロワ城とアンボワーズ城だったとか。
でもホント、見事な造形美😍(ため息)
イタリアの古典様式にフランス中世の様式が加わった、フレンチ・ルネッサンス様式の火付け役となった城。周囲を4つの塔と無数の部屋で囲われた、中央の装飾性の高い本丸。
その設計には、フランソワ1世に招かれたルネッサンスを代表するフィレンツェの芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチも加わっているらしい。
シャンボール城はのちに王家→シャンボール伯→戦後に政府の手にわたり、現在ではシャンボールを含むロワール渓谷一帯が ”フランスの庭” と呼ばれる屈指の観光地に。
めりはりの効いたつくり、中央に密集する幾多の塔。雄々しく勇壮な美を備えたこの城には、やはり濃い青空が似合う!
6人の貴婦人の城、シュノンソー
そしてもう一つ、女性的で優美な城として有名なシュノンソー城 Chateau de Chenonceau !。
ロワール支流のシェール川に架かるように建てられた、華麗ながら奥ゆかしい佇まいはまさに羽を広げて水に浮かぶ白鳥のよう。
フランソワ1世からこの城を引き継いだアンリ2世が、愛妾ディアーヌ・ド・ポワチエに、
アンリ2世の正妻カトリーヌ・ド・メディシス、
アンリ4世の妾ガブリエル・デストレ(姉妹に乳首をつままれる絵で有名!)、
ジョルジュ・サンドの祖母で人徳のあったルイーズ・デュパン・・・
さまざまな立場の貴婦人たちに引き継がれたシュノンソーは、数多くの美術品を集めて、優美で落ち着いた風格を漂わせる “6人の貴婦人の城” と呼ばれている。
後期ゴシックと初期ルネサンスの様式の城で、ディアーヌにより架けられた橋は当時商業にも大きな役割を果たし、今では商業で成功した富豪の資産として引き継がれている。
🏰 ”フランスの庭園” 世界遺産のロワール渓谷
歴史上名の知れたいくつもの都市と、数々の名シャトー(城)が残るこの一帯は、”フランスの庭園” と呼ばれています。もともとシャンボール城は単独で世界遺産だったのが、2000年に「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」としてまとめて世界遺産登録されることになりました。
美しいルネサンスの暖炉、マントルピースにはトマ・ボイエのことば。
“S’il vient a point, me souviendra.”
(城を建てれば、その人は歴史に残る)
狩をするディアナに扮したガブリエル・デストレの、大きな肖像画。「三人の美神」は、ルイ14世の愛妾であった3姉妹。
緑を基調に装飾された木彫りの扉も見事・・・。
部屋はそれぞれ壁や天井、タペストリーなど、そこを使った主人の個性を思わせる調度品でととのえられている。
緑の書斎、喪に服して過ごしたルイーズ・ド・ロレーヌのプラムグレーの部屋・・・
この城には2つの庭園があって、愛妾ディアーヌの可愛らしく華やかな庭園とカトリーヌ・ド・メディシスの奥ゆかしい優美な庭園は、いい意味で対照的。
優雅な白鳥の城をあとに、背の高い木立の道を戻る。
前半とはうってかわって、ゆったりとした北フランスツアーはハネムーナーに大人気!
(なのでツアー客同士の交流は少ない😆)
バスに揺られて今夜の宿、ロワール川とシェール川の間にあるトゥールの街へ。
🚌ランドオンリーのメリット
セルフプランの旅で何が困るかって、やっぱり「移動」! 短い休みでいかに効率よく、観たいポイントを周れるか? 日本のようには公共交通機関が発達していなかったり、渋滞のひどいところもあるし、大きな荷物もあるし・・・。
で、ヨーロッパに滞在中2つのランドオンリー(現地から参加)を繋げたのが、このヨーロッパ7か国の旅のたたき台に。ひとり旅の部分と合わせて、ほどほどに冒険・ほどほどにお膳立てで面白い旅になりました✨