- Fri, 11 Aug 2017 -
1 再会
1.1 おじさんとおばさんのこと
1.2 朝のメルカド(中央市場)
1.3 106 BIJUTERIAS
2 おじさんの家へ
3 ブラジル移民のルーツ
3.1 日本人移民史料館
3.2 長い帰り道
4 一日が過ぎて
再会
聖保羅 São Paulo で迎える朝。
今までの街と違い、高層ビルに囲まれた青い空。
「”ブラジルでは約束通りの時間に来る人いない”って、おじさんたち言ってたわよ」
ママがそんなこと、出発前に言ってたっけ。
ママの結婚式に遅れて腕組んで登場し、式に出損ねたという逸話を持つおじさん夫妻。きっと今日も、約束よりちょっと遅れてくるんじゃないかな~。
一緒の時は平気かもしれないけど、一人になってからが心配だから、ブーツの中に現金と緊急連絡先とパスポートコピー、隠しとこっと!
サンパウロは観光地も危険だって言うし……
ぷるるるる
んっ、部屋電が?
まだ7時50分だけど!!
「めぐみちゃん?」
あっおばさんだ!! 二人で来てくれたんだ!
慌ててフロントに向かうと、
あっ……おじさん……おばさん!!
「遠いとこまでよく来たね……!」
ハグしてとても声にならない……
化粧したてなのに、いっぱい涙出ちゃう。
3年前、もう最後かなって、日本に一度来ていたおじさん夫妻。突然のことであたしは仕事を外せず、逢えなかった。
もう逢えないんだろうなってどこかで思ってた。
でも思いがけずおじいちゃんの導きで、地球の反対側で、数十年ぶりにまた逢えた。
ひとしきり泣き終えたら、笑って出発!
おじさんとおばさんのこと
駅に向かうエスカレータは早速止まっている。
「ブラジルではよくあるの、これぞブラジル」
とおじさん。みんな階段がわりに歩いている。
そしてまだまだ朝のラッシュアワー。
サンパウロの地下鉄ラッシュ、思いがけず味わう羽目に!
考えてみればおじさんたち、こんな混雑の中、朝早くここまで来てくれたんだね。。。
ありがとう・・・。
おじさんは18の時、日本企業がブラジルで子会社を興す話に乗り、単身サンパウロに船で渡った。
いろいろあって、日本を出たかったんだそうだ。
船底の窓からものすごく心細そうな顔でこっちを見ていたと、見送りに行ったひとまわり年下のママは、当時のおじさんの様子を今でもよく覚えているらしい。
おばさんは初期移民の日系2世。
二人はサンパウロで、その同じ会社で働いていて知り合った。
そんな話も、あたしは初めて知った。
移民船第1号の笠戸丸に乗っていた人たちが、記念祝典で日本に招待された際、おばさんはそのお世話係として、同行して来日することになった。
その日本滞在をきっかけに、おじさん夫妻はしばらく日本で暮らしていた。
あたしが可愛がってもらったのは、その日本にいた頃。
共働きだった両親の代わりに、おじいちゃんとおばあちゃんに連れられて遊びに行っては、
ピンク色した甘いココナッツ菓子をもらったり、珈琲の匂いのするエキゾチックで綺麗なおばさんにだっこされたり、気の強い者揃いの母方親戚で唯一、穏やかで優しいおじさんに甘えたり……。
それが記憶の中のふたりだった。子供が男の子2人だったから、きっと女の子が可愛かったんだろうな。
まずはサン・ベント駅 São Bento 。サンパウロは高地で、坂がとても多い。この坂に並んだ建物内に、実は問屋街のように充実した専門店がひしめいている。
土日は地方からの買い出しの人が増えて、もの凄い大混雑なんだとか。こういう人混みでは、リュックも前が基本ね! とおばさん。
手始めはジュエリーショップで、おばさんと一緒にきゃっきゃしながらお買い物。どこの国でもそうだけど、こうなると男の人は蚊帳の外(笑)
おばさんは手芸材料店のお得意さんで、だからこの辺詳しいんだって。
このエリアはセントロながら、治安は悪く路上生活者が多いことでも有名で、夜間に路上を排泄等で汚してしまうため、朝は洗浄車が清掃し、まるで雨が降ったかのようになっている。
サン・パウロは乾燥しているので、すぐさっぱり乾くけどね。
朝のメルカド(中央市場)
そんな道路を渡り、メルカド Mercado Municipal Paulistano へ。朝9時前は、まだお客もまばら。ブラジルの市場はゆっくりスタートだ。
お客が少ないもんだから、果物屋の前を通ると試食オススメの嵐(笑)
無駄に甘くなくミネラル等をたっぷり含んだ大自然の恵み。もうね、ごはん一食分くらい、いろんなフルーツでお腹いっぱい!
こちらは圧巻のスパイス専門店!
ブラジルのお料理はスパイスづかいが上手いんだよね~。
フルーツでお腹いっぱいになっちゃったけど、メルカド名物は2階カフェの ”たっぷりハム入りサンド”! キレイなステンドグラスも見えて、市場を眼下に眺めながらのランチタイムにおすすめ。
あとね、さっき手渡されたこのチラシのお店、どうしても気になるんだけど……行っていい?
106 BIJUTERIAS
駅に戻る坂の辺りの建物はこうしてナンバーが打ってあって、慣れれば分かりやすいけど、まず観光客はこんなところ入らない!
106 BIJUTERIASと名付けられたこのビル。古い映画にでも出て来るかのような超年代物のエレベータで上がると、ファッション雑貨の宝庫。すっごく可愛いアクセサリーやバッグがたくさんあるの!
アフリカやインディオのセンスが、西欧の技術で製品化されてて十分実用的。値段はさすがに一般の製品よりも少しお高めだけど💦
チラシさまさまだな~。
ここは気の効いたブラジル土産探しにイチオシかも!
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