噴火したてのキラウェアへ
ヒロから40㎞ほど南東へ、いよいよハワイ唯一の世界遺産、ハワイ火山国立公園 Hawaii Volcanoes National Park へ。

👨「いい感じに煙上がってます! これは期待できそうです」
この大空と草原に沸きあがる色づいた噴煙!
目に見えるダイナミズムにワクワクする~!!
ハワイ火山国立公園
まずは青空のもとの遠景から。

おほー、もぞもぞ赤い溶岩が動いてる!
これって、遠くから見ると大きさが分からないけど、赤い部分の高さは50mくらいあるんだって!
溶岩は ”地球の血液” なんだって。不純物が多くて詰まりやすく爆発しやすい日本の噴火に比べると、キラウェアのは血液サラサラ、健康的!な感じ😊
ぼちぼち涼しくなってきた手を、蒸気が出て来るスチーム・ベント Steam Vents で温めながら、一旦ビジターセンターへ。

道行き出逢うオヒア・レフア ohia lehua は、ハワイ島を象徴する植物。黒くごつごつした枝葉に、可憐な赤い花を咲かせる姿があちこちで見られる。黒い不毛の溶岩台地を貫いて根を張り、”気根” という枝から出る根を使い大気から水分を取り込むシステムも持ち合わせて、たくましく生き抜いている。
巨木に成長しているものや、垣根のような高さでたくさんの花を咲かせているものもあって、たぶんビジターセンターの後ろの木もそうじゃないかな?

ビジターセンターに掲げられていたアメリカ合衆国旗(上)とハワイ州旗(下)。州旗に描かれるユニオンフラッグは、初めに島を発見したキャプテン・クックの母国イギリスを、8本の縞はハワイの ”8つのmain islands” を表しているんだそう。
☑女神ペレとオヒアレフア
ペレは、ハレマウマウ火口に棲むと言われる火山の女神。海の向こうから安住の地を求めてハワイにやってきたものの、追手の姉に殺されてようやく、その魂はキラウェアの火口に終の棲家を得たと云われます。
しかし、オヒアとレフアの美男美女カップルに横恋慕してしまったペレ。美しい女性の姿で誘惑するもなびかないオヒアに怒り狂い、レフアにも激しく嫉妬し、ついには2人を焼き殺してしまいます。しかし一時の激情による浅はかさをのちに悔い、2人を1本の木として生まれ変わらせたのだそう。
そんな伝説を持つのが、ごつごつした黒い枝に不釣り合いなほど美しく儚げな赤い花を咲かせる、オヒア・レフア。なるほどそんな物語が浮かぶのもさもありなん……といった風情です。キラウェア火山には、レフアの花を摘むと雨が降るという言い伝えもあり、それは2人が離れ離れになるのを悲しみ流す涙なのだそうです。
さぁて・・・パンツの下にタイツを重ね、防寒対策も万端。サーストン・ラヴァ・チューブ Thurston Lava Tube に向かって、シダに囲まれたジャングルの中を歩いてく。

こんなジュラシック・ワールドが道なりに続いてて、別世界を歩いているみたい!
ハワイのジャングルには危険生物がいないから、莫大な保険を掛ける必要もなく、映画の撮影等で人気のロケ地なんだって。オアフ島のクアロア・ランチや、”太平洋のハリウッド” カウアイ島が有名。

およそ500年前に出来たとされるこの溶岩洞(ラヴァ・チューブ Lava Tube)は、もともとドロドロに溶けた溶岩が流れていた場所。溶岩の周囲部が冷えて固まり、内部だけが液体だったため、それが流れ去ったあと硬い外郭がトンネル状に残ったものだそう。
玄武岩質のマグマは、冷えるとこうして黒くなるんだって。それがプルナウなどのハワイ島で見られる黒砂海岸も形成しているのね。

今はハワイ島のキラウェアが、活動性の火口を持ちマグマの出口になっているけれど、大昔にはコハラもマウナケアもマウナロアも、もっと古くにはダイヤモンドヘッドも、今この下にある ”マグマ溜まり”(ホットスポット)上にあって、火口(クレーター)から溶岩を噴き出していたんだって。
ハワイの島々は太平洋プレートの上で、毎年数㎝ずつ北西へと移動していて、そのホットスポットからずれてマグマの供給がなくなると、順次休火山になっていく。昔は活火山だったところが今は島となり、古いものを西にして、一直線に列を成しているわけね😲

あとでその一部を通る、30㎞にわたるチェーン・オブ・クレーターズ・ロード Chain of Craters Road は、キラウェア内の火口が、活動した時系列順に道路脇に並んでおり、実際に閉じたクレーターがどのように時と共に変化していくかを目で見て知ることができる。
まさに、”ハワイは地球の縮図” だね!

入口の辺りにもたくさん見えた木の根っこ。この硬い溶岩洞すら貫いてくるのは、強靭なオヒアレフアの気根と呼ばれるもの。大気中の水分も吸収できるんだって。
見ごたえあるキラウェア観光の前半戦を終え、夜に備えて腹ごしらえ&休憩タイム。ビジターセンター脇のベンチで、シンさんの買ってきてくれたロコモコ弁当を食す。ちょっと寒い中でのピクニック(笑)

あっ、これキジの仲間だよね!?
鳥🐦アンテナがぴぴっと反応。日本人が持ち込んで野生化したのかな?

その間にも空に新月を見つけたりして、なんだか出逢うものすべてから、生きている地球を身近に感じられるんだ。
Volcano Houseからのハレマウマウ火口
そして間もなく後半戦に突入。宿の中からも溶岩が見えるということで人気の宿、Volcano Houseのテラスからハレマウマウを臨む。

おぉ~・・・素晴らしい眺め。。。
これね、当たり前のようにちゃんと見えてるけど、雲がかかったり雨が降ったり、条件悪い時はたくさんあるんだって。
雨が降ると火柱も小さくなったり、手前の溶岩湖(ひび割れのように赤い亀裂が見えるところ)もあまり光ってなかったりして・・・
でも今日は文句なし!!

拡大して撮るだけでもこんなにくっきり。
さらに隣の望遠鏡を覗かせてもらうと、真っ赤に燃える溶岩がドブドブ噴出してくる様子が見える!!

マジック・アワーにはさらに荘厳。神がかってる。
実はVolcano House、4年前の計画段階で泊まりたいと思っていたホテルなのだ。
でも2018年の夏に溶岩が海に流れて溶岩湖が消えてしまい、計画段階で断念。溶岩湖が復活するのはその2年後、コロナ禍のさなか。
もう見れないのかと思ってたけど4年経って、こんなに恵まれたタイミングで素晴らしい景観を見ることができた・・・。
次に来たら絶対Volcano Houseにも泊まろう。

しばらくしたら、驚く速さで霧が流れ込んできた。ほんの数分の違いでもこんなに景色が変わっちゃうの! でもそれまでにたっぷり眺められたし、寒さも手伝いそろそろ皆退散しますか💨
柵に腰かけ撮ってもらった写真では、まるで火口が夜に輝く第2の太陽のように。
とっても素敵な記念の一枚になったな💕
大晦日にしてベスト・オブ2024
👨「いや~・・・皆さんどれだけ徳を積んで来たんですか。さっきまで雲かかってたのに、今は満天の星が見えます!」
シンさんが何度も繰り返すほど、今日の1日は素晴らしく恵まれていたの。マウナ・ケアの駐車場でツアーバスを停め、10度近くに下がった真っ暗な寒空の下、夜空の観方を教えてもらう。
マウナ・ケア、満天の星空
左上に3つ星の帯をつけたオリオンが、その下に全天で一番明るく輝くおおいぬ座のシリウスも見える。
シリウスの後ろを縦に貫いてゆく淡く白い帯が、冬の天の川。
右下で赤く燃えるのはキラウェアの溶岩が放つ光。
露出長めに設定して撮ってもらう星空の下の記念写真。
So romantic!

半日フルに使ってのこのツアーって、お天気にすごく左右されるんですって。しかも、島のお天気は変化しやすく、予報もなかなか当たらないそうで。
何も見えずに車内がお通夜みたいにシーーーンとしちゃったり、いたたまれなくなったシンさんがジョーク飛ばしても誰も笑わないっていう・・・何度来ても運に恵まれない人もいるんだって。(5回参加してすべて不発とか)
👨「本当に今日は良かった! 大晦日にして、ベスト・オブ2024で〆られます😭」
ハワイ島の夜空に咲く花火
一緒に周った他のグループをワイコロアで降ろしたあと、あたしたちとシンさんの3人で、カイルア・コナまでお喋りしつつ最後のドライブ。
そしたら丘陵地帯の住宅地の続くあたりで、打ち上げ花火が上がり始めた!
星空観測を邪魔してしまう・・・という理由から、ふだんは花火は禁止されてるんだって。花火を上げられるのは、7月4日のアメリカ独立記念日と、新年を迎える夜の2回のみ。なので今日はみんな喜んでバンバン上げるんだって。
だからといって、これ住宅地で上げるレベルの花火じゃなさそうだけど!? 火事にならないのかな・・・。
👨「火山や星空だけでなく、夕陽見れて月見れて花火見れて。ぶっちゃけ、これ以上はないです!!」
いや~
僕たちも結構運はいい方だと自負してるんですが
あのご家族の引きの強さはすごく感じましたよね~
こうして真夜中近くまで堪能した、心に焼き付くとっても素晴らしいツアーだったのだけど、はたと気付くあたし。
また来たいけどこれがベストオブベストなら
この素晴らしい想い出のままもう上書きしない方がいいかもってコトですよね?
👨「そういうことになりますね・・・」
苦笑いのシンさん(笑)
こうして延べ12時間のツアーを無事に終え、レンタカーを置いてあるSafewayの駐車場でシンさんと別れた後、ちょいと✨コナ・ビール✨なんぞ買ってからホテルまでドライブ。

そう! やりたいことをぎゅうぎゅうに詰め込んだハワイ島滞在中、実はここがいちばんの踏ん張りどころなの。
朝の早い明日に向けて、ふたたび英気を養わないとね😊
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