青と白のドーバー海峡
最果てはイングランド最古の港、ドーバー Dover。
天気予報に反してすっかりいいお天気! 気温もついに半袖陽気の22度。
対岸のフランスから見れば、”イングランドへの鍵” だったこの街を、要塞として守っていたのがホワイトクリフの上に建つドーバー城。ホワイトクリフの白さはチョーク(石灰)によるもの。
ここは世界中のスイマーが憧れる海峡で、カレーとの34㎞を泳いで渡ると “Channel Swimmer” の称号が得られるんだとか。水泳苦手なあたしからすれば、狂気の沙汰だわ。。。
町から見ると大きな客船がいっぱい。ドーバーの崖は、空や海から見た方が綺麗そうだもんね。
あっちこっちに人懐こいジョナサンが我が物顔。
もっと近くで白い崖が見える場所にも行けるのかと思っていたんだけど、遠景だけだったからそこはちょっぴり残念かな。
9年ぶりの再会
バスが帰路につくと同時に雨がぱらぱらと。そこまでもったのはラッキーだったなぁ。高速で逆車線を埋め尽くしてるのは、スト中のトラック??
問題は、ロンドン到着時間ごろにちょうど地下鉄のストが始まるってことよね。今日はそれを知らなくて、人と20時にホテルで待ち合わせちゃったの!
ツアーバスをVictoria駅で降りて、いっそのこと歩いて帰ろうかとハイドパークの方向を係員に尋ねてみると、
「地下鉄で行って。ストは20時からだから」
なーんだ18:30に始まるっていうのはガセ? と安心して地下鉄に乗車したら、なんと途中で止まってしまいまだまだ遠い駅で下ろされるハメに……
なんなの~!? 切符代返せ! ←割と高い💦
他の乗客もパディントン方面(途中にハイドパークがある)に向かうからってことで、この人たちについてバス停に向かったら、バス停が分からずに皆で道路を右往左往。ようやく見つけたと思ったら、今度は乗り込むのに躊躇して、何台ものバスにおいて行かれる始末。
も~…。
結局、埒があかないその方たちをおいて、一人タクシーに乗ったのよ。
ところがこのタクシーも途中で渋滞にはまり、料金ばかりかさむもんだからちょっと手前でおりて最後は徒歩。最初からタクシーにしときゃよかった。。。
でもタクシーで通り抜けたハイドパークの大きさに、やっぱり歩こうとしないでよかった、とも思うのだった。
オマーとのひととき
どっぷり疲れながらも約束の時間には間に合った~とホッとしながらホテルに入ったら、フロントのお兄さんがあたしの背後を指さす。
えっ!?
既に後ろのソファにオマーが!!
ハグしながら涙……。
ちゃんと数えてみると、出会ったのはビックリ9年前!
その時の思い出話をしたり、2年前ケガをしてから歩くと腫れて痛いという足を診てあげたりしながら、再会の夜は更けていく。
「たった1日会っただけだったのに、よく覚えててくれたね」
忘れないよ、だってとってもいい思い出の1日だもん。会ったのはトラファルガー広場だよね!
9年前、偶然広場で道を尋ねたのがオマー。よく留学生のお世話をしているのは、もともとオマー自身が航空関係の留学生として英国にやってきたからかな?
その日は会う予定の留学生が授業の都合で来られなくなったそうで、ガイド兼英会話相手として、ロンドン市内を半日一緒に歩いてくれました!
21:30頃、ようやく”ラマダンの朝食”の時間。食べるものも決まりがあるそうで、デイツの実を持参していたオマー。ブレックファストは夜間の ”fast(断食)” を ”break(破る)” するが語源なんだね。
フロントのお兄さんもムスリム(パキスタン人)で、クルミ入りの大きなデイツの実を分けてくれた。干し柿の味に似ててすっごく美味しいの!
この日のロンドンは日の出が4:51、日の入りは21:19。ムスリムには断食のタイムテーブルがあって、ラマダンの朝食の後は、一旦眠ってから2時ごろ起き出して、日の出前の食事(=ラマダンの夕食)を摂るんだって。
「だからほとんど眠れないんだよ」と、とても眠そう。
リーズ城で見つけた、すごくいい香りで見た目も美人なソープ&おしゃれなしましまキャンデー! 真っ赤なダブルデッカーのマグは、オマーからのプレゼント。
いい時間になって、ストは明日まで続くからそろそろ……と、Paddinton駅前のバス停まで、オマーの足に合わせてゆっくりと送っていく。
僕の年になると交通機関のFreedom Passがもらえるんだ、とバス停で待ちながら見せてくれるオマー。
赤いダブルデッカーがやってきた。
またお別れのハグで涙が沸いてくる。
近くの人が、涙ぐむあたしを変な顔して見てる。
オマーを乗せたバスが動き出し、何度も手を振る。
次は会えるんだろうか。ホームステイして、お蔵入りになってる日本食材で和食を作るよ。
そしてオススメのウェールズを観に出かけようか。
オマー、ちゃんと元気でいてね。
約束だよ。
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