落ちる時、
それは並べられた条件に、惹かれているわけじゃない。
理屈じゃない、だから2人でも3人でも同時に落ちることだってある。
落ちる相手はいつも、
いつまでも好奇心を持ち、守りに入ることなく、
未来に夢を描き勇気を持って進み続ける、少年らしさを失わない人だ。
それは同時に、腰を落ち着ける甲斐性がないということでもある。
彼ら自身が、危険とか安定とかを考える能力を、
どこかに忘れて来てしまった永遠の子供だから。
何年か前、オックスフォードの土産物屋で、
初めに開いたページにあった言葉が、その本を買うきっかけになった。
何故そのことばが響いたかというと、
往きのフライトで旅に思いを馳せながら、思春期のことを不意に思い出し、
あたしはメモにこう記していたからだ。
”冒険とは、単に危険を顧みずに何かをすることじゃない。
正しいと信じていること、こうあって欲しいと思うことを、
たとえ困難が目の前に立ちはだかっても、挫けず前に進めてゆくことである。”
きっとあたしも同じなんだな。
忘れてきたわけでもなく、怯えることがないわけでもない。
高収入で、いくら素晴らしい肩書を持ってようが、
夢や創造に、まるで興味がない人とは一緒に過ごせない。
そしてそれを、外見や動作からすぐに見抜いてしまう。
実に正確に。
だから落ちる時はすぐに落ちる。
直感的に、なんの障害もなく。
Fall in Love。
あとからちゃんと理由づけをすれば、そういう訳なのだけれど。