貧血(Hb低値)が治っても、かくれ貧血(フェリチン低値)が残っていると、なかなかいや~な症状が取れないんですよね。
とれないだけでなく、一度治療しても、すぐにまたヘモグロビンが下がってしまうことも……。
しっかり土台から立て直したい!
そんなあなたは、きちんと治療のポイントを押さえておきましょう。
鉄分補充のしかた
体内に鉄を届ける方法は、経口摂取(腸管からの吸収)か注射投与(ダイレクトに血管内に入れる)になります。
経口摂取は、食事による方法と、鉄剤やサプリを使う方法があります。
食事療法
軽度の鉄欠乏や、閉経後の女性、ピル使用により出血が少ない方なら、食事療法でも改善することがあります。また、経口摂取はいちばん安全性も高いですね。
食品では、やっぱり動物性蛋白に含まれるヘム鉄が有効。植物性の非ヘム鉄に比べて、吸収効率も数倍いいのです。レバー、赤身肉、いわしや煮干し、貝類などに多く含まれます。
でも日本人は、野菜や海草からの非ヘム鉄摂取が多いので、吸収UPしてくれるビタミンも一緒に摂るなど工夫が必要ね。非ヘム鉄ではひじき、ごま、きくらげ、大豆などに多く含まれます。
ヘム鉄と一緒に摂ることで非ヘム鉄の吸収率も上がると言われるので、偏ることなくできるだけいろいろな食材から摂りましょう。
また、ミネラルやビタミン類は、各種が揃ってはじめて健全にはたらくものなので、その点でも
新鮮な食材から
品目数を多く
バランスよく
が基本です!
鉄剤やサプリメント内服
でも食事だけで改善するって、実は相当難しいの。なぜかって、
☑ 女性の場合、経口摂取では現状維持が精一杯
☑ 鉄が不足している人は消化管機能が低下していて、食品の消化吸収自体が悪い
☑ 食品中の鉄分が昔に比べ減っている
☑ 鉄の調理器具が使われなくなった
などの理由からです。
どちらかというと食事の改善は、”治療後によい状態を維持するため”に必要で、治療には積極的に鉄剤やサプリを使うべき。それくらいやらないとなかなか治らないの!
鉄剤やサプリの主な副作用は次のとおり。
☑ 胃腸障害(不快感、胃痛)
☑ 便通異常(便秘、下痢)
☑ 悪心や腹部膨満
そして吸収の特性から、一度に大量に摂るより、少量を持続的に吸収させる方が効率よいので、徐放タイプがオススメ。 その方が胃腸障害も軽減されやすいね。
ヘム鉄では胃腸障害は起きにくいものの、絶対起きないというわけではなく、起こす人もいます。体質との相性があるので、合わない時は違う製品を試してみて。
タンニンを含むお茶・ワイン・コーヒーなどは、吸収を阻害するので一緒に摂らないように昔から言われてきたけれど、 鉄剤やサプリにはそれを補って余りある鉄が含まれているので、実は気にしなくても大丈夫ですよ。
☑ ヘム鉄
☑ できれば徐放タイプ
また、経口摂取ではフェリチンも理想量に回復するまでに、通常半年~年単位の治療が必要です。
ヘモグロビンが最初に回復し、その後にフェリチン(貯蔵鉄)が満たされていくので、”かくれ貧血”まで解消するには時間がかかるんだよね。
☑ 少なくとも半年~数年
食事・鉄剤・サプリで治療する時は、今までお話ししたようなポイントに注意しながらやってみて!
次は気になる注射投与についてです✨
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