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鉄欠乏⑥鉄を補充しても鉄欠乏症状がよくならない時には……?

毎日せっせと鉄分を摂っているのに、ちっとも症状がよくならない!

そう、鉄を摂り始めてスムーズに改善を感じる方もいれば、一生懸命やってるのに、なっかなかよくならない方もいるのは事実。

症状が改善するには、次の2つがクリアされなければいけませんね。

☑ 体内の鉄がきちんと充足されている
☑ 充足された鉄がきちんとはたらけている

症状がよくならない時は、このどちらかに問題があるハズです!

体内鉄が充足されない原因は?

投与量・投与期間、吸収量排泄量の問題

繰り返しお話ししたように、鉄の吸収には限界量があります。

そのため、不足鉄分を補うには、かなりの期間が必要です。鉄欠乏症状がすでに出ている人が、症状改善を実感し始めるには、数カ月要することもありますね。

そして、改善を感じても、そこから安定したところまで増やすには、年単位の時間がかかるんです。

また、鉄欠乏が進んでいると、消化管が弱るので、消化・吸収能力も落ちているの!

鉄分、特に効率よく吸収できるヘム鉄は、動物性たんぱく質に多く含まれるため、消化・吸収が悪くなってしまうと、食品を分解して、中から鉄分を取り出すことがうまくできません。


だからサプリや鉄剤を使わず、食事だけで治そうとこだわっていると、なかなか増えないんだよね……。一旦よくなるまでは、うまく使った方がいい!

さらに、生理の量が多い場合は、補充した先からどんどん鉄分が体外に出て行ってしまうの💦 筋腫や内膜症の可能性もあるし、婦人科で相談した方がいいよね。


なかなかよくならないと思い悩むあなた、思い当たるコトはありませんか?

POINT!

✔ 鉄の投与量、投与期間を増やす
✔ サプリや鉄剤を使う
✔ 生理出血量をコントロール(婦人科)

鉄のはたらきが良くならない原因は?

一方で、体内鉄は足りているのに、他の原因で代謝が抑制されているため、鉄不足症状がよくならないという方もしばしばいらっしゃいます。


いくつか代表的なものを挙げてみますね!

他の栄養素が不足している

鉄欠乏になる方は、他のミネラルも同時に足りないことが多いんです。特に多いのが、亜鉛不足。鉄も亜鉛も、動物性たんぱく質の中に多く含まれています。疲れ易かったり、お肌や髪、消化機能にトラブルの多い方は要注意。

代謝を支えるビタミンB群不足/アンバランスな方も多いですね! これもたんぱく質食材に多く含まれています。

肉・魚・シーフード・豆類・卵・乳製品を幅広く、バランスよく摂ることが大事です。お肉も鶏のムネ肉だけ!とかではなく、牛も豚も、脂の部分も適度に摂りましょう。脂の中に溶けている、ビタミンも意外に多いんですよ。


ビタミンCも代謝には重要。腸の働きを潤滑にする食物繊維の摂取もできるので、たっぷりの野菜類やキノコ・海藻も忘れずに。

その他のビタミンももちろん大事なので、結局どれもちゃんと摂っては欲しいのですが、難しく考えずに、まずはいろんな色の食品を食事に取り入れてみましょう

ビタミンCは黄色、ビタミンAは赤やオレンジ、といったように色はビタミンの種類を反映していることが多く、カラフルに揃えるとバランスが良くなります!

POINT!

✔ 亜鉛を強化
✔ たんぱく質食材をまんべんなく摂る
✔ 色とりどりに野菜もたっぷり

脂肪肝や肝機能障害がある

鉄分の貯蔵庫は肝臓。フェリチンというたんぱく質と結合した鉄分が、必要時に放出できるように蓄えられています。

けれど、脂肪肝があったり肝臓の機能が落ちていると、このバックアップ鉄分をうまく放出できなくなってしまいます


メタボやアルコール性肝障害だけでなく、現代では痩せた女性でも、砂糖由来で脂肪肝になっている方多数! まずは糖質過多の食生活を見直し、できるだけ運動を取り入れましょう。

運動での疲れが辛い場合は、他の栄養不足がある可能性が大なので、食事の改善だけでなくサプリも検討してみてね!

POINT!

✔ 糖質過多を改善
✔ 運動を取り入れる
✔ 栄養バランスにも気を付ける

甲状腺機能低下がある

鉄欠乏によって、はたらきが悪くなることもある甲状腺ホルモン。でももちろん、栄養に問題がないのに代謝が低くて鉄欠乏様の症状がある時は、逆のパターンもありですよね。


甲状腺機能低下でよく気付かれる症状としては、指の痕がつきにくい下腿のむくみ(粘液水腫)、まぶたや指のむくみ、体重増加、寒気、低体温、乾燥肌、意欲低下(鬱っぽかったり、頭が回りにくくなる)、徐脈(60以下)などがあります。

健診では、のどの触診で甲状腺の腫れに気付かれることが多いです。

どれも、重度の鉄欠乏があれば同じ症状が出ることがありますが、鉄の補充で改善しないなら甲状腺側に問題があることを考えて、内科でチェックを受けてみましょう。

POINT!

✔ 鉄欠乏ではなく甲状腺機能低下症状かも
✔ 内科で調べてもらう

ホルモンバランスが悪くなっている

慢性ストレス更年期などがきっかけで、ホルモンバランスが悪くなっていると、代謝が低下することが多いです。

心身ともに気になる症状が多い、生活に支障があるなど深刻な状況なら、栄養バランスを整えるのはもちろんのこと、ホルモン補充でサポートすることも視野に入れてみましょう。

POINT!

✔ ストレス緩和をこころみる
✔ 婦人科やホルモン療法を行うクリニックで相談する

なかなか症状がよくならない時に、気を付けて欲しいポイントをご紹介しました✨

3カ月~半年頑張っても一向に症状が変わらない……そんな時は、栄養療法に詳しいクリニックへご相談下さいね!




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