では実際のオペの様子を見てみましょう♪
実際の手術(酒井Ⅱ法)
この症例はGradeⅢで、酒井Ⅱ法の下のパターンを行っています。
(乳頭部を完全にスプリットせず基部にトンネルを作成し、その中で向こうとこちらの皮弁を寄せて縫合)
いったん、これくらい展開されます。乳管周囲の硬い組織をほぐして伸ばし、必要に応じて切除。乳管そのもの(縦方向のスジ状のもの)はできるだけ温存。
向こうと手前に、小さい皮弁(トンネル下を通す部分)があるの、分かるかな?
乳頭となる組織の下に、トンネルを作成。2つの小さな皮弁は、このあと表皮部分を削ってからトンネル内に通します。
表皮を取り除いた2つの皮弁(真皮弁)を、トンネル内で縫い合わせたところ。これが底支えになって、乳頭が再陥凹するのを防止しています。
乳頭の高さを出すために、他の皮弁も場所を入れ替えて(Z形成)、内縫い・外縫いの2層で縫い上げます。ここを丁寧にすることで、傷痕が目立たずスムーズに治癒します。
横から見るとこんな感じ。乳頭のてっぺんについている長い糸は、術後の形安定のために、つり糸としてパッドと一緒に固定に使います。
術後1週間以内につり糸は外します。パッドも外すとこんな感じ。
黄色い部分は内出血痕。内出血は、青→赤紫→黄色と変化して2週間ほどで消えていきます。
この頃から直接シャワーで洗って清潔を保ってもらうことが多いです。もっと早く可能だけれど、つり糸がついているうちは取り扱いが難しいからね!
術後の乳頭の保護には、市販のうおの目パッドを重ねて使用しています。汚れてもすぐ交換できるので便利。これをつけた状態で、パッドがずれないように気を付けながら、ブラをしてもらいます。パッドのずれ防止に、テープを使うこともあります。
2週までに残りの糸も抜糸して、パッドは状態に応じて2~6カ月継続してもらいます。術後の形が安定するまでに、およそ半年かかるの!
最終的には、手術侵襲によるむくみや腫れが引いて、直後よりも少しスリムでなだらかな形に落ち着きます。傷跡はほとんどわかりません。
この症例はまだ術後のフォローが撮れていませんが、同じ手術をした他の方の3カ月目の状態がコチラ。ほとんど傷痕、分からないでしょ?
周りのカサカサは、うおの目パッドのシールによるもの。この方は組織がとても柔らかいため、作った乳頭がつぶれないよう、長くパッドを使用してもらっています。
気になる方はご相談を
日本人に多い陥没乳頭。手術後は半年ほど授乳を避けてほしいため、赤ちゃんを考えているなら早めに相談しましょう✨
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