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カロリー制限とオートファジー

あたしは時々24hr絶食を取り入れてるんだけど、実際それってどう? って思ってる人もいるよねぇきっと。

カロリー制限(カロリーリストリクション、CR)は、確かにいろんなところで体の中によい変化を起こすの。

インスリンシグナルの減少とか、ケトン体UPとか……いろいろあるんだけど、他にもすごーっっ!!って思っちゃう効果が。


そのひとつがこの ✨オートファジー✨


まさに生命の神秘の為せる業。
すっごく面白いのよ♡

オートファジー autophagy

細胞内の不要物質や効率の悪いものを分解・排泄したり、それを使って自らを再構築するシステム。飢餓状態は、このスイッチをポチッと入れるんです。

なんていうの、
細胞レベルの断捨離
みたいな感じかな。

効率の悪いものを分解してそれを栄養としてリサイクルしたりして、さらに機能のよい精鋭集団に組織改変が行われるわけ。
それで、“自らを食う=オートファジー”って名前がついてる。

オートファジー自体、エネルギーを使う作業になるけど、最終的な最適化のためにエネルギーを先行投資して、自浄作用&品質管理と同時に、一個体としての効率を最適化するんだね!


なんか会社とか経済みたいだな……。


小さいオートファジーは、実は日常的に体のあちこちで起こっているの。

これは”基礎的オートファジー”って呼ばれてて、体のメンテナンスとして毎日繰り返されている。

特に肝臓や脳では、細胞分裂が少なくひとつの細胞の寿命が長いため、この基礎的オートファジーで機能を保つことは大切なんだよね。


そして24時間絶食では、ほぼ全身の細胞でオートファジーが起きる。

これは条件によって起きる”誘導性オートファジー”のひとつで、摂取エネルギー量が減って一定期間の飢餓ストレスにさらされた時、体は一気に組織改編が進みます。

それが、ファスティングがアンチエイジングに効く理由。

飢餓下では脳だけ平常運転?

でも脳においては、飢餓時でもオートファジー亢進が少ないんだって。(マウスの実験結果ね)

オートファジーがさかんに行われている間は、その細胞に普段以上の負荷がかかるからね。

生物の摂理を考えるに、脳は飢餓時も平常運転可能なように、日常的な基礎的オートファジーを中心にメンテナンスされる臓器なんだろうな。


断食(ラマダン)の最中にチュニジアを旅した時、一緒にいたガイドのムスリムは、断食についてこう表現していました。

身体のレベルは下がっていくけれど、精神レベルは乖離し高まっていくんだ

そう語ったムスリムのガイドさん
ガイド中も彼はもちろん飲食せず(2009年夏)


これって、脳以外の組織でオートファジーが亢進している時の体感を、よく表している気がするんだよね~。

断食が終わったら、生まれ変わった感じじゃないかな✨

いざファスティングに挑戦

こうして生物の体は、適度なストレスを受けることで鍛えられ、最適化されていくの。
そういう風に遺伝子に仕込まれてるからね!

オートファジーシステムは、老化とともに鈍ってしまうものです。それに喝を入れて動かしてくれるファスティング……うまく取り入れれば、無駄がなく機能的な心と体を保つのに役立つよね😉🎶

オートファジー(医学生物学研究所


ただし、カロリーは高く栄養素は乏しい新型栄養失調に陥りがちな現代人は、そのまま断食を繰り返したら、アンチエイジングどころか栄養失調がさらにひどくなるだけ。

特に、ダイエットで食事制限している女性!
ミネラル摂取不足&生理出血から失うミネラルも多く、そんな状態でファスティングしてもむしろ逆効果だから注意してね。

女性に多い鉄欠乏の症状はコチラ


普段からカロリーは抑えつつ、蛋白質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素はしっかり摂れるバランスのよい食事を心がけて!

そしてプラスαのアンチエイジングとして、

✨結果の出るファスティング✨

に挑戦してみてね♡

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