美しきマナローラ
ここは一段と可愛らしいパステルカラーだねぇ。見ているだけで気持ちも弾んでくる! ちょうどお昼時で、あちこち人でいっぱい。
魚介が美味しそうで狙っていた、イル・ポルティシオーロ Il Porticciolo に並んでみる。
ちょっと待ってすぐ入れたけど、”本当に美味しいイタリアンを提供したいので、1時間でさっと済ませたい方はごめんなさい”だって。(日本語で書かれたそういう案内を渡された)
今日もめちゃめちゃ暑くて足の疲れる日、ランチは休憩兼ねて、ゆっくりしっかりいただきマス。
くぅぅ~! 美味し過ぎる、汗かいた後のリモナータ(レモネード)!
”ツナとシード類のタルタル”。
うーんと、美味しいけどつまり、西洋風マグロのたたきだったね💦 もうちょっと目新しいの頼んでもよかったな。
フロアスタッフの動きがとても良くて、サービスも快適だし、お料理も意外とスムーズに出てきてる。
”魚介のリングイーネ、リグーリア風”
これでもかってくらい、シーフードてんこ盛りな一皿♡ これ、めちゃくちゃ美味しいの~! シーフードはもちろんのこと、魚介のエキスをしっかり含んだパスタもうまっ。
そこに、きらきらした太陽の光を思わせるチンクエ・テッレ・ワインも、ぴったり!
”その土地のことを知るには、その土地のワインを飲め”とはよく言ったもの。海辺の陽光に愛された土壌で生まれ育ったものだってことが、味わいや色を通して十二分に伝わってくる。
これ、好きだなぁ。
マナローラは、カフェやトレッキングルートに繋がるこの遊歩道から素晴らしい景観が臨めるの。山にはさっき楽しんだ、チンクエ・テッレ・ワインの葡萄畑が見える。
ここで可愛らしいジェラート・スタンドを発見。さっきレストランの親切なスタッフに、マナローラで一番おすすめのジェラート屋はどこ?って聞いたら、
「うーんと……右に曲がる道をずっと行ったところ」
とたどたどしい英語で教えてくれたのって、もしかしてこの店かな?
昼時だからか、売り子さんが休んで売り物のジェラートを食べている。
「これ買える?」
「えぇ、もちろん!」
「さっき、レストランのウェイトレスに、ここがマナローラでいちばん美味しいって聞いて来たんだ」
「あぁ、それ私のお姉ちゃんだわ」
えっ、そういうこと!?
でもね、本当に美味しかった。特に濃厚なピスタチオ Pistacchio 最高!!
そしてここから狙っていたフェリーは……
波が高いため休航!!
あーっ残念!
たいして波がないように見えても、やっぱりすぐ止まっちゃうんだなぁ。。。
スペツィア~ポルトヴェーネレだけ就航していた様子。そこだけ内海だし、ポルトヴェーネレは鉄道が通ってない分フェリーが重要な移動手段だからね。
船から見てみたかったので、ちょっと残念。。。水着の人たちが岩場から海に飛び込む様子をジェラート食べつつ眺め、エクスプレスで隣村へ移動。
☑フェリーでのチンクエ・テッレ観光
以前はチンクエ・テッレ・カードにフェリーフリーパス付のもあったが、休航頻発するためかなくなったもよう。フェリーは本数も少なく時間もかかるので、就航していればうまくポイント押さえて海からの絶景(特にポルトヴェーネレとリオマッジョーレ!)を眺めてみたい。
古き良きリオマッジョーレ
人口の一番多いリオマッジョーレ。窓辺の洗濯物や、色褪せたペイントに生活感が出てるよね。
チンクエ・テッレの人口は、この半世紀で急激に減少していて、生活の利便性が悪いことがその主な理由だそう。
坂道のず~~~っと上の方にホテルがあったりして、到着したばかりのゲストが、大きなスーツケースやトロリーを引いて坂を上っていたりする。この村の宿泊もなかなか体力要りそうだな。。。
16:30頃、少し影が伸び始めているけど、日没はまだまだ先。前に歩いている家族は、これから海水浴場に向かうのかな。真昼を避けて、日が傾き始めるくらいがちょうどいいね!
チンクエ・テッレのビーチは、砂浜のベージュからエメラルドグリーンに、そしてピーコック・グリーンを経て最後に紺碧に変わる。岩場や白い砂地の多いフレンチ・リヴィエラよりも、全体に緑の奥行きがあって、ちょうど2国の旗の色の違いみたい。
ぼちぼち足の裏が限界……。船着場からの景色を見たかったけど、ここで断念。まだこれから帰りも歩かないといけないからなぁ……無念!!
ヴェルナッツァの夜
エクスプレスでヴェルナッツァへ。なんとか石段と外付け階段を上り切り、大きなベッドで冷房がんがん効かせて体力・脚力を回復。ごろごろしながらお店を検索してみる。
岬の要塞にある、シーフードの美味しいBelforteはもうこの日めいっぱい満席だそう! 山側のレストラン、Il Pirata delle Cinque Terreに行ってみることにした。
ジェノヴェーゼ&シャケートラ
混んではいたけれど、すぐにテラス席に。オーナーは双子の男性。そっくり過ぎて見れば分かる(笑)
まずは絶対、まだ食べてなかったジェノヴェーゼ! フレッシュなバジルの香りが口いっぱいに。。。でもこれ、見かけによらず底が深くて、食べても食べても減らないの。2皿目あるのでちょっと残しちゃった。
こちらシーフードのリグーリア風を頼んだら、ランチのパスタと見た目そっくり(笑) 味はこちらの方がピリッと濃いめ。量はやっぱりたっぷりです!
ここのお料理は、味付けしっかりでボリュームあるね。人と取り分けた方がいろいろと楽しめそう。
いい気分になったところで……まだ終わりません、チンクエ・テッレの特産貴腐ワイン、シャケートラ Sciacchetrà ! 小さなグラスに濃厚な液体が注がれます。
あんずと葡萄の香りで夢へと誘う、あま~いデザート・ワイン。
酔っぱらってて写真、撮り忘れた。
夢に落ちゆくヴェルナッツァ
ヴェルナッツァではたった10分歩けば、こんなお伽話のような姿が見れるのよ。このディナーの前と後に、朝追い返されたトレッキングルートに行ってみた。
古い要塞と南国の木々、色とりどりにひしめく家と窓、きれいに並んだカラフルなボートに、円いドームの小さな教会。
まさに”お伽話の村”に来たみたい。
今日の日没は21時ごろ。18:30には、こんな夕陽混じりの鮮やかな色合いに。
同じように夕景の街並みを眺めているご夫妻が。Bonsoir、とバンダナにリゾートドレスのふくよかな奥様とはフランス語でご挨拶。フランスからの観光客かな?
で、ディナー後再び、夜のヴェルナッツァを見ようと立ち寄ると……まだそこにそのご夫妻が!!
「わ、ずっとここにいたんですか?」
「いいえとんでもない! 私たちも夕飯とって戻って来たのよ」
旦那さんは、黙々とカメラの三脚を設置し直している。
カメラに夢中の夫にずっとつき合い人恋しかったのか、人なつこい奥様は、英語であたしにちょこちょこ話しかけてきた。
そしたらね、スペツィアに宿をとり車で観光に来ていて、昨夜もこの場所に写真を撮りに来てたんですって。
往きのフライトでロスト・バゲージに遭い、この2日間着の身着のまま。旦那さんは手荷物で趣味のカメラ一式持ち歩いてたから、それだけは手元にあるんだって!
まだ荷物いつ来るか分からないの……と奥様はたいして困った顔もせずに、屈託なく笑う。
一緒に刻々と移り行く様子を眺める。
しばらくするとオレンジ色の灯りがひとつ、またひとつと灯り始めて、やがて少しずつ夜の色に染まっていく。
最後にもう1枚、と思ってシャッターを切り、帰り支度を始めたら、
「もう10分待ってご覧なさい、もっと綺麗になるから。私たちは昨日も見たから確かよ」
と。
そしてもう10分だけ、待ってみる。
昼も夜も、見惚れるくらい美しいヴェルナッツァ。
壮麗な港湾都市も、太陽の注ぐカラフルな漁村も。
ジェノヴェーゼもシーフードも、貴重なチンクエ・テッレ・ワインも。
Bravo, Liguria!!
素晴らし過ぎてぐうの音も出ない。リグーリア州、もう一回来てみたい。
そして明日は、最後の目的地へ。