観光スポットの集結するフィレンツェ中心部は、タクシー含め交通機関が使いづらく、徒歩観光が効率いい。でも石畳の街って、足にくるのよね……。
駅まで戻りがてら、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局に立ち寄ってみる。
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局
扉からして重厚で、格の違いを見せつける世界最古の薬局。扉を押し開けると、続く廊下にも病院に似た特有のにおいが静かに漂っている。
もともと修道士たちが用いていた品質のよい薬草や軟膏を、17世紀に入ってから一般にも販売するようになったんだって。
店内のエレガントな装飾にもうっとりだけど、ひとつひとつ製品の香りを嗅げば、その度に別世界にトリップ! 雑味なく純度の高い、高貴な香りがするの!
ちょっとお値段張るけど、数種類の石鹸をおみやげに。それぞれ個性ある包装や、入れてくれたペーパーバッグの柄が、アンティーク調かつ清潔感に溢れていてまた素敵。
ドゥオモの見える街
疲れて足が進まなくなってきた……タクシーでホテルに向かおう。
よく知らずに”降り場”で拾おうとしたら、”あっちあっち!”とドライバーが指で合図。スーツケース転がして”乗り場”に向かい停まっていたタクシーに乗ろうとしたら、さっき合図してくれた車がぐるりと回って走り込んで来て、「僕の客だよ!」と叫ぶと、さらうようにあたしを乗せた。
「あ~ココか……ちょっと細い通りだけど、近くになら停められるよ」
地図を見せるとそう言ってくれた若いイケメンドライバー。おまかせしておいたら、あちこちで右に左に角を曲がり、思ったより時間もかかって、なんだかぐるぐる遠まわりされてるような気が……。
だけどシートで揺られていると気持ちよくて、もうそんなのちょっとくらい騙されてもいっか、と思ってしまうほど、疲れてたんだなぁあたし。
Hotel Cardinal of Florence
細い道に面していて、ちょっと分かりづらい入口のHotel Cardinal of Florence。”3階がフロントですが、荷物はお運びしますのでご心配なく”と書かれている。ブーッとブザーを鳴らすと、大きなドアの鍵がカチャッと開いて、大きな石の階段からがっしりした男性が走って降りてきた。
おみやげが増えて20㎏ほどのスーツケースを持ち上げながら、ホテルの案内も喋り続けて、お兄さんはすっかり息切れ&汗だく。
でもこんな可愛いお部屋♡ 疲れも吹っ飛んじゃう!
なんだか嬉しくなって、小さなクローゼットみたいな奥のラゲージスペースで、おみやげを詰め直したり、明日の帰国に向けて最終調整。やることやったらようやく安心して、横になってひと休み。
ちょっと駅から離れてるけど、ここに決めたのは、屋上のテラスからいつでもドゥオモが眺められるからなんだ。だからホントに、今日晴れたのは嬉しくて仕方ない!
もうすぐ21時。
夕景のドゥオモを眺めたら、そろそろ出撃だな。
最後の夜は絶対、トスカーナ名物・ビステッカを食べるって決めてたんだ!
1㎏のビステッカを食す
ただしこのTボーン・ステーキのオーダーは、最小で1㎏から。リグーリアでたらふく食べてきた体にはきついだろうと、今日はランチを抜いて消化管デトックスしてたわけ。
そしてあわよくば観光中に、誰か食事につき合ってくれる男性を見つけようと思ってたんだけど、滝汗かくわ足は痛いわで残念ながらそんな余裕ナシ。。。
Trattoria dall’Oste Chianineria、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅前店。お店の前にかなりの人が並んでる~。予約しておいてよかった!
お店の人が”1000gからだけどいい?”と何度も訊く。隣の席では、1家4人で2㎏の注文らしい。
大丈夫、覚悟はできてる。焼き具合はもちろんレアで!
ノリのいい眼鏡のソムリエが勧めてくれた赤を飲みながら、ワクワク……
わっ♡ じゅうじゅうと音を立てて、やってきた!
ただ塩を振って焼いただけなのに、この上なく美味しいビステッカ……。こんなお肉は初めて。表面の香ばしい焦げ目をスパイスに、ほとんど脂が入ってないのに柔らかいレアなお肉が、いくらでも入っちゃう!
そしてぺろりと平らげました。
いやー昨夜の時点では、無理せずキャンセルしようかな?くらいに思ってたのに、こんなに軽々いけるとは……恐るべし、あたしの胃袋!
まろやかで優しく、花の都にふさわしい心地よいワインは、キアニーナ牛の赤身と相性ぴったりだった~。美味しかったお水とオリーブ油も、後でちょっと調べてみようっと。ティラミスもいただき、もう大満足。
夜の大聖堂を眺めながら、酔い覚ましにフラフラ歩いて帰り、そのまま一気にテラスまで上ると、この旅いちばんの笑みで記念撮影~。
うふふふふ✨
しあわせ過ぎる最後の夜!
でも……腓腹筋とヒラメ筋が剥がれそうだわ💦
次の旅ルポ♥