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鉄欠乏②いろんな症状とその原因を徹底解説!

そもそもなんで鉄欠乏になっちゃうの??

でもなぜ、こんなに鉄欠乏が多いか不思議ですよね。
それにはいくつか理由があります。

男女共通の原因

☑ 不健全な食事による摂取不足
☑ 胃疾患による鉄分吸収障害
☑ 消化管からの出血(潰瘍や炎症)
☑ 尿路系腫瘍からの出血
☑ 激しい運動での赤血球破壊


鉄欠乏の主な原因は摂取不足吸収障害、そして持続する出血です。

特に、鉄欠乏になりにくいハズの男性で貧血がみられたら、消化管出血(潰瘍や腫瘍)などの病気を疑い、きちんと精査してもらいましょう。


けれど、圧倒的に鉄欠乏は女性に多いんです!
その理由はコチラ。

女性ならではの原因

☑ 間違ったダイエットによる摂取不足
☑ 生理出血での鉄喪失
☑ 妊娠・出産による鉄喪失


ダイエットでごはんは食べないけど、代わりにちょっとだけ甘いものを食べる……女性あるあるですね。

夕飯これだけ♡ とか言ってる場合じゃない


そもそも生理がある女性は毎月大量の鉄分を失うので、毎日せっせと摂取しないとても間に合いません! 代謝を上げて燃焼できる体になりたいなら、

×ごはんを食べない
○正しいごはんを食べる が正解です。

さらに妊娠・出産では、およそ1000mg分の鉄分を喪失。お母さんの胎盤を通して赤ちゃんにも鉄を分けてあげなくてはいけませんし、出産時の出血でも鉄を失うからです。

鉄欠乏が、産後うつのリスクを高めることも、最近は少しずつ知られてきましたよね。産後の薄毛が回復しない時も、実は鉄欠乏やその他の栄養不足が隠れているんですよ。

生理による鉄喪失量は……?


大切なことなので、ちょっと計算してみましょう。

一般的に、一回当たりの生理出血量は50-120mlほど。血液10mlには5mgの鉄分が含まれるので、例えば一回80mlの人なら、月当たり40mgの鉄分を失うことになります。
(経血は子宮内膜の壊死組織を含むので、厳密には純粋な血液とは違いますが、ここでは簡便のため血液として概算します)

☑ ひと月で40mgの鉄喪失

鉄の吸収についてはまた次回お話しますが、腸管からの最大吸収量って、3mg/日くらいなのね。

☑ ひと月のmax鉄吸収量は90mg

これは”食事に配慮しサプリや鉄剤も使って最大吸収できた場合”で、ふつう鉄分が足りない人は、消化吸収力が悪かったり、もともと摂取が少なかったりするので、こんなに増えていかないのです。

そしてmax90mg摂れたとして、ひと月+50mgずつ体内の鉄分が増えますよね。でも、鉄欠乏症状が出ている人の不足鉄分量って少なくとも700mgくらいはあって(これは後日解説)、これをちゃんと補うには……

☑ 順調にいって少なくとも補充に1年以上

ホント、毎日せっせと鉄分摂らないとダメなの!!


国によっては鉄を主食類に添加したり、鉄分を含む肉や魚を大量に食べていたり、そもそも土壌に鉄分が多かったりするんだけど、現代の日本では地道な摂取源だった鉄の調理器具もほとんどないし、ホウレンソウなど植物性食品に含まれる鉄分は、土壌や栽培法の変化で昔と比べてひどく減っています。



このような理由で、一度鉄欠乏が進行してしまうときちんと治るまで数年かかったり、治ったとしてもいい状態をキープするのに、かなり日常的な心がけが必要なんですね!

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