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  1. SEASIDE

人生の休日⑥意志を持つ街ドブロヴニク

Sat, 11 Jun 2011
1 再建された ”アドリア海の真珠”
  1.1 ドブロヴニク旧市街
  1.2 オレンジ色の城壁廻り
2 船でバーリへ

再建された ”アドリア海の真珠”

旅好きの友人たちに心に残った場所を尋ねてみると、必ずと言っていいほどその名が挙がるのが、「アドリア海の真珠」ドブロヴニク Dubrovnik

でもその美しい姿は、幾多の困難を乗り越えてきた人々のたゆまぬ努力と信念があったからこそ・・・。


中世にドブロヴニク共和国(ラグーサ)として、ヴェニスと並んで海に名を馳せた都市国家は、堅牢な壁を持ち海洋交易を得意としていた。独裁を防ぐ任期1ヶ月の総督制(2年間再選不可)、医師や理容師の招聘、薬局、独自の天然痘種痘、それに独立維持のためのオスマントルコへの献金等、近代的な政治を行っていた。

半数近くの市民の命を奪った1667年の大地震、1991年から続いたクロアチア紛争・・・そのたびに街は瓦礫の山と化し、再生する。

その紛争からわずか20年、破壊された旧市街を今の姿に立て直したのは、ここを愛してやまない人々の地道で継続的な尽力に他ならない。

ドブロヴニク旧市街

外から見たピレ門、四角い穴は大砲を打つ窓


朝早く到着したため、ガイドさんも驚くほどに人のいない旧市街に入ることができた。


ピレ門からは、目抜き通りとなるプラツァ通りがまっすぐ続く。イタリアの建築士オノフリオの噴水は、遠くの水源を引くために15世紀に作られたもの。頬を膨らませた人の口から水が流れる様子は、どこかユーモラス。


総督邸(写真右側の建物)ではかつて、1ヶ月の任期中給与もなく、缶詰状態で仕事が行われたそうだ。


街の至る所で、鳩が元気にはばたいてゆく。
あまりにも気持ちよさそうで、生まれ変わるならスコットランドの羊プリトヴィッツェの魚についで、ドブロヴニクの鳩もいいなぁなんて思ったりして・・・。
(そう呟いたら、すかさずツアー仲間のおばちゃんに「なんで人じゃなくて動物になりたいの」と突っ込まれた)


内戦で使えなくなっていたケーブルカーは、実は去年復活したばかりだとか。朝早く起きて自由時間もたくさん確保したことだし、これは行かない手はないでしょ! と皆を誘い、ちょっと大変だけど坂を上り乗り場まで急ぐ。

ぐんぐんあがるケーブルカーの眼下に、丸く密集したオレンジ色の旧市街と城壁、アドリア海の紺碧の青、真っ白な船と航跡。天気にも恵まれ、非の打ち所のない完璧なまでの美しさ。



”いかなる黄金をもってしても
 自由を売り渡してはならない”


小さな頃からそう教えられて育つ、ドブロヴニクの子供たち。
この街が守ってきたのは、地震にも揺るがなかった城壁の中の人々だけではない。その心、独立への確固たる “意志” だ。

この街を一言で表現するなら、”will(意志)” だと思う。
そこが、自由意志の尊さを肌身で知る、旅を愛する人々の心に響くのだろう。

オレンジ色の城壁廻り


街に戻り、いよいよ城壁廻りへ。目指すは1周半!
まずはより景色のよさそうな山側から、一方通行にならい回遊スタート。


噂にたがわぬ絶景の旧市街、防衛の要ロヴィリイェナツ要塞、深い青の旧港。
教会の鐘が鳴り響く中、オレンジ色の屋根が厚い城壁の内部にひしめいている。


はじめはすいていて調子よかったのが、日が高くなるにつれ観光客の数が増える増える増える・・・。

ベビーカーや、小さなトロリーを引きずりながら周る人々もいて、後半海側に入る頃にはものすごい暑さの中、密集する人の群れで渋滞が起こりしばしば足止めに。

野望は打ち砕かれ、無念ながら1周で降りた💦


市場では、口にした干しイチジクの美味しさにびっくりして(日本でも買えるしってなめてかかってた💦)、近くのお店にいたお婆さんからおみやげ詰め用に小さなダンボール箱をもらい、トランクに入らないって分かってたけどついついおつまみセットをお買い上げ!

まだまだ旅も長いしトランクもいっぱいだし、なんとかこれを日本に送る方法を探さなくっちゃあ。


イチジクとオレンジピール、キャラメルアーモンドの3種盛り!
ラヴェンダーのポプリも香り立ちのよさについ購入

船でバーリへ


ドブロヴニクを名残惜しみながら、アドリア海の対岸・南イタリアの港町バーリを目指しいざゆかん!


現地ガイドさんが手配してくれた昼食用ピザを抱えて出国ゲートをくぐり、船の中で眠ったりPC叩いたり、夕食をとったりして、海上の7時間をのんびりと過ごす。

アドリア海上から眺めるバーリ


南イタリアの港町・バーリ Bari に到着。入国スタンプは珍しい”船経由”に。


背が低めでお喋り、そしてちょっと強引な、イタリア人をかきわけなんとかバスに乗りこんで、引き続きアルベロベッロに向かう。

イタリアン・ブーツのヒールに当たる平地の多いプーリア州では、海産物だけでなく農業も盛んだ。バーリはプーリア州の州都。街も大きく活気がある。

遅くに到着したホテルには、ウェルカム・ワインを餌にしつこくポーターおじさんに口説かれた。でも荷造りテープを貸してもらった手前、不問にしておこう。


明日はここから歩いて、とんがり帽子のトゥルッリを見にゆく。

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